出版社内容情報
内容説明
楽器販売店をクビになり、衝動のまま仙台に向かった惠理は「あやしバイオリン工房」と書かれた看板を見つける。そこには男性店主の他に、伝説の名器ストラディヴァリウスの精が棲んでいた!?店主以外の人には見えないはずのバイオリンの精・弦城の姿が見える惠理は、成り行きで、工房に持ち込まれる不思議な事件に巻き込まれる羽目に…。心温まるあやかし事件簿。2017年ノベル大賞佳作受賞作!
著者等紹介
奥乃桜子[オクノサクラコ]
雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選の後、「あやしバイオリン工房へようこそ」で2017年ノベル大賞佳作受賞、同作品でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツン
71
バイオリンの霊の秘密と苦悩、たしかに辛いかもと思いました。そして、ブランドではなく本当の自分を好きになってくれたことの喜びはずっと心に残るだろうなと思いました。ただ、主人公の彼女のリア充とかはどうなるんだろうとちょっと心配に。。2023/09/02
佐島楓
54
夢はひとを傷つけることもある。でも、この作品のように夢自身から励まされることだってあるのかもしれない。続編を切に希望します。2018/01/24
よっち
36
バイオリニストの夢破れ、楽器販売店での仕事もクビになった惠理が、衝動のまま夜行バスで向かった先の仙台で「あやしバイオリン工房」の店主・大地と伝説のバイオリンの精・弦城に出会う物語。自信を喪失したまま店で働き始めた惠理と、誰が弾いても音が出ないぶっきらぼうなバイオリンの精・弦城。最初はぎこちない距離感だった二人でお店を訪れる客からもたらされるバイオリンを巡る不思議な謎を解いていく展開でしたが、迷える惠理の想いと複雑な弦城の過去がひとつに繋がっていって、一緒に乗り越えてゆく結末はなかなか良かったと思いました。2018/02/07
ぐっち
30
楽器店をクビになってヤケになってバスに乗った先で出会ったバイオリン工房とバイオリンの精。店主の大地は表紙にすら出てこず、ひたすらバイオリンの精との仲を深めるヒロイン。それでいいのか?いいのか。音楽が好きな人ばかり出てきていい読後感。2018/10/27
瀧ながれ
26
傷ついたまま仙台にやってきたヒロインが、バイオリン・ストラディヴァリウスの精を目撃できたために、バイオリン工房で働くことになる。大切にされて魂を持ったバイオリンたちと、その相棒たる人間たちの物語に、気持ちよく感動した。激しい絶望から繋がる嬉しい結末も感動。音楽は、やっぱりいいなあ、人を動かすなあ、と思いました。このヒロイン、もう生涯独身だよね。バイオリンに憑かれた女って呼ばれるよね。仙台の風景も、描写は少ないけど印象的でした。2019/05/14