内容説明
「懐石」と「会席」は何が違うのか。千利休の「一汁二菜」「一汁三菜」はなぜ正統となったのか。「乾杯」の日本的起源とは―茶道から生まれた様式がいかにして日本料理の伝統を形づくったのかを、史料から丹念に考察する。和の食、その精髄たる懐石の誕生から完成、そして後世への継承という歴史の中に、日本文化のエッセンスを見出す類稀なる論考。
目次
第1部 懐石誕生(懐石の誕生;近世公家の懐石;千家茶会記にみる懐石;茶書にみる懐石の心得)
第2部 懐石以前(大饗料理;本膳料理;精進料理;食の作法)
第3部 料理文化の背景(中世の食文化点描―大工・荘園・都市;日本の食事文化における外来の食)
著者等紹介
熊倉功夫[クマクライサオ]
1943年東京生まれ。東京教育大学文学部史学科卒業。日本文化史専攻。文学博士。国立民族学博物館名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おこめ
0
三角食べ(?)は中世の「食礼」に作法として記載があったらしい。懐石、会席、精進の違いが分かった。ひとつひとつ出典が詳細に記載されている。食器の名前や食材でピンとこないものは手持ちの図録で確認しながら。2024/02/07
ks3265
0
熊倉先生の本は初めて。流石に懐石料理を中心に詳細に書かれています。懐石料理はお茶にとって欠かせないものですので、過去の会記を中心に丹念に書かれています。ルーツから現在までの変遷がよくわかりました。今では使用されていない材料もあって当時の様子がよくわかります。懐石料理以前の日本料理についても、日本人が実は肉食(鶴とか雉などの鳥のほか、猪なども食べていた)だったことがわかりました。あまりに詳細すぎて途中でだれて、読み終えるのに時間がかかってしまいました。2020/12/15