草々不一

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  • サイズ B6判/ページ数 359p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784065136799
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

身分に縛られ、役目に忠実であらねばならなかった武士の暮らしにも、喜怒哀楽に満ちた人の情は流れている。練達の時代小説短編集。江戸時代をこよなく愛する著者が描く、武家の人生の諸相。
仇討ち、学問、侍の就活、嫁取り、剣術、罪と罰……。
身分に縛られ、役目に忠実であらねばならなかった武士の暮らしにも、喜怒哀楽に満ちた人の情は流れている。練達の筆がすくい上げる、きらびやかな宝玉のごとき八つの物語。江戸の庶民を描いた『福袋』と対をなす、時代小説短編集。

朝井 まかて[アサイ マカテ]
著・文・その他

内容説明

「紛者」助太刀を頼まれた、牢人者の信次郎。頼まれたら断れないのが、武士だが。「青雲」立身する者と、できぬ者。分かれ道を説く上司に悩まされ。「蓬莱」大身の旗本家へ婿入りしたはいいが、妻から三つの約束をさせられて。「一汁五菜」刀ではなく包丁で仕える江戸城の料理人が、裏稼ぎに精を出す。「妻の一分」大石内蔵助の妻、りくにとっての忠臣蔵を、そばで見守った者がいた。「落猿」藩の外交官である江戸留守居役が、公儀との駆け引きの最中に。「春天」剣術指南所の娘と二刀流の修行人。剣で心を通わせた二人の行末は。「草々不一」漢字を読めない隠居侍が、亡き妻の手紙を読むため手習塾に通い始める。身分としきたりに縛られた、武家の暮らし。仇討ち、就活、婿入り、剣術、罪と罰…。切なくも可笑しい、人生の諸相を描く。デビュー10周年記念、練達の時代小説短編集。

著者等紹介

朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を、『実さえ花さえ』(のちに『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』に改題)で受賞してデビュー。’13年『恋歌』で第3回本屋が選ぶ時代説大賞、’14年に同書で第150回直木賞、『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、’15年に『すかたん』で第3回大阪ほんま本大賞、’16年に『眩』で第22回中山義秀文学賞、’17年に『福袋』で第11回舟橋聖一文学賞、’18年に『雲上雲下』で第13回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ケンイチミズバ

207
塩分の過剰摂取は体に毒です。権力争いに巻き込まれ、上役の裏切りと火事の責も負わされ妹は自害する。兄は料理の道をひたすら精進し腕を磨く。御台様が料理を口にするのはそれぞれ二口三口なのであれを使えば体に害は及ばない。残る御馳走は対立し合う女役人のナンバーワンツーが平らげるのが慣わい。そして七回忌を前に二人とも討ち果たす。調理場には監視役の目が鋭く光り、お毒見役もいる。故に暗殺は時間をかけた過剰投与で行われた。スゴイ!旗本の養女となり大奥に腰上げされた妹、長男しか家督を継げない武家の仕来りの犠牲とも言えるな。2019/01/07

いつでも母さん

205
下級武士たちを描く短編集。まかてさん上手いなぁ。『福袋』が好きだが、こちらもなかなか・・毎日一つずつ読んだ。好みはタイトル作と『一汁五菜』『妻の一分』2018/12/22

ひさか

160
小説現代2015年12月号:粉者、2016年5月号:早々不一、2017年1月号:妻の一分、7月号:青雲、9月号:蓬莱、11月号:落猿、2018年1月号:一汁五菜、3月号:春天、の8編に加筆、修正して、2018年11月講談社から刊行。早々不一に特に味がある。武家の世界を興味深く切り出して語る朝井さんが、素敵だ。2019/03/15

タツ フカガワ

157
武家物8話の短編集。武辺者ゆえ漢字が苦手な夫が、老妻の遺書を読むため手習所へ通うという滑稽物の表題作や、女剣士の淡い恋を描いた「春天」、江戸城の料理番がある陰謀に引き込まれる「一汁五菜」ほか、どれも趣向を凝らした作品ばかり。今年初の“まさかこんなに面白いとは”の一冊でした。2020/02/05

Makoto Yamamoto

156
八編からなる下級武士層が主役の短編集。 各々切り口が違って面白い。 町人を主役にした市井ものもいいが、この種のものがいたりもいい。 女性が重要な役割を果たしている「蓬莱」、「妻の一分」、「春天」、「草々不一」が良かった。さすが朝井まかてと思った。2021/10/31

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