出版社内容情報
身分に縛られ、役目に忠実であらねばならなかった武士の暮らしにも、喜怒哀楽に満ちた人の情は流れている。練達の時代小説短編集。江戸時代をこよなく愛する著者が描く、武家の人生の諸相。
仇討ち、学問、侍の就活、嫁取り、剣術、罪と罰……。
身分に縛られ、役目に忠実であらねばならなかった武士の暮らしにも、喜怒哀楽に満ちた人の情は流れている。練達の筆がすくい上げる、きらびやかな宝玉のごとき八つの物語。江戸の庶民を描いた『福袋』と対をなす、時代小説短編集。
朝井 まかて[アサイ マカテ]
著・文・その他
内容説明
「紛者」助太刀を頼まれた、牢人者の信次郎。頼まれたら断れないのが、武士だが。「青雲」立身する者と、できぬ者。分かれ道を説く上司に悩まされ。「蓬莱」大身の旗本家へ婿入りしたはいいが、妻から三つの約束をさせられて。「一汁五菜」刀ではなく包丁で仕える江戸城の料理人が、裏稼ぎに精を出す。「妻の一分」大石内蔵助の妻、りくにとっての忠臣蔵を、そばで見守った者がいた。「落猿」藩の外交官である江戸留守居役が、公儀との駆け引きの最中に。「春天」剣術指南所の娘と二刀流の修行人。剣で心を通わせた二人の行末は。「草々不一」漢字を読めない隠居侍が、亡き妻の手紙を読むため手習塾に通い始める。身分としきたりに縛られた、武家の暮らし。仇討ち、就活、婿入り、剣術、罪と罰…。切なくも可笑しい、人生の諸相を描く。デビュー10周年記念、練達の時代小説短編集。
著者等紹介
朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を、『実さえ花さえ』(のちに『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』に改題)で受賞してデビュー。’13年『恋歌』で第3回本屋が選ぶ時代説大賞、’14年に同書で第150回直木賞、『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、’15年に『すかたん』で第3回大阪ほんま本大賞、’16年に『眩』で第22回中山義秀文学賞、’17年に『福袋』で第11回舟橋聖一文学賞、’18年に『雲上雲下』で第13回中央公論文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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