出版社内容情報
大江 健三郎[オオエ ケンザブロウ]
著・文・その他
内容説明
小説の可能性を拓いた中期傑作18編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルーツ・リー
4
大江健三郎の短編集。多くの純文書きの場合、短編となると、なかなか思想を折り込むのが難しくて、どちらかと言えば筋を重視した作品を書くものなのだが、大江健三郎は、短編でも、思想性が、非常に高い。 今の自分には、大江健三郎の全ての思想を理解するだけの力は無いと思い、圧倒された。 小説の筋として、非常に不道徳なものが書かれていて、それが批判される事が良くあって、確かに自分も不道徳に思われ、人間として如何かと思う面も無いではない。 しかし、小説の良し悪しは、思想だと思う。その深遠な思想をこそ読んで欲しい。2021/10/30
ゴリゾウ
1
性的人間、個人的な体験、アトミック・エイジの守護神、作家自身にとって文学とはなにか?、敬老週間、空の怪物アグイー、犬の世界、ブラジル風のポルトガル語/奇計に生まれたわが子の死を願う青年の魂の遍歴と、絶望と背徳の日々。狂気の淵に瀕した現代人に再生の希望はあるのか?新潮社文学賞受賞の「個人的な体験」#6511972/07/31