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出版社内容情報
水木 しげる[ミズキ シゲル]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
24
恐ろしいことも信じられないような残虐な日々も、この人の表現だとなんだか笑えてしまうのだけど、珍しく笑えなかったのが従軍慰安婦(ピー屋、女郎屋)の描写でした。三百人近い兵隊を三人の女性が「処理」することにびっくりし、並ぶ代わりに小屋を観察することにした水木さんが一瞬遭遇した朝鮮人女性。「兵隊だって地獄に行くがそれ以上に地獄ではないか」という淡々とした言葉は、やっぱり恐ろしかった。良き夫・父・息子がその精神をこのような経験でむしばまれる恐ろしさ。戦争は本当に嫌だなあ。2020/07/28
ぐうぐう
22
水木しげるは多くの自叙伝を描いたが、本書に収録されている『カランコロン漂泊記』のような、身辺雑記をテーマにしたエッセイ漫画は、また違った味わいがあって面白い。たわいのない思い出のようでいて、そこからは水木の死生観が窺えたりする。子供の頃、テストで110点取ったと勘違いしたエピソードが象徴するように、水木の人とは違ったものの見方が、面白い逸話を次から次へと生んでいく。水木しげるに妖怪が見えるのは、当たり前のことなのだ。2018/04/08
軍縮地球市民shinshin
7
数ヶ月積ん読にしてあった水木全集を引っ張り出して読む。晩年のエッセイ漫画。やはり何度読んでも面白い。単行本も持っているのだが。2018/08/30
Fumitaka
3
最初の方の「雛様の墓場」と「妖怪道五十三次」で思い出したが水木しげる先生は「妖艶」な絵も描けるのだ。ゾッとするような美しさを帯びた人ならざる美しいものの絵。この卓越した作家が後半に収録の『ゲゲゲの家計簿』で描かれる窮乏生活を送っていたことを考えると、無制限の資本主義にはそれはそれで不条理な部分があると思い出させられる。生死を分けたのは根性というか、水木しげる先生の気楽さだったのであろう。しかし脱落する人も多いはずだ。『カランコロン漂泊記』の中に従軍慰安婦の話と『人間玉』と手塚・石ノ森両名と睡眠の話が収録。2023/06/07
大臣ぐサン
1
90年代に連載された『カランコロン漂泊記』と最晩年の『ゲゲゲの家計簿』を中心に収録。どちらもビッグコミックに連載された自伝漫画だ。『ゲゲゲの家計簿』の連載が開始された時のことは覚えている。数ある自伝漫画の中でも、発見された極貧時代の家計簿を基に漫画化というのは斬新だった。よく知られているエピソード以外に家計簿から蘇ったエピソードも楽しめるのが特徴。2020/05/25