講談社学術文庫<br> 国家の神話

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講談社学術文庫
国家の神話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 624p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062924610
  • NDC分類 311
  • Cコード C0110

出版社内容情報

『認識問題』、『シンボル形式の哲学』などの大著を完成した碩学が、最晩年に至ってついに手がけた記念碑的著作、待望の文庫版。本書は、ドイツの碩学エルンスト・カッシーラー(1874-1945年)が最晩年に手がけた記念碑的著作、待望の文庫版である。
新カント派に属して哲学、文学、歴史学を学んだカッシーラーは、現代文明の土台をなす近代科学の構造とその基礎概念の認識批判的な研究『実体概念と関数概念』(1910年)で経歴を開始した。だが、当の現代文明は、程なく第1次世界大戦という破局をもたらす。この現実を前にして、大戦で争われていた精神的価値に対する態度表明を行う『自由と形式』(1916年)を発表したカッシーラーは、その一方で、大著『認識問題』全4巻(1906-50年)、そして主著『シンボル形式の哲学』全3巻(1923-29年)に取り組んだ。
しかし、世界は再び大戦に向かって突き進んでいく。祖国ドイツでは1933年にナチス政権が誕生し、独裁が強化される。その支配が頂点を迎えつつあった1941年、ついにカッシーラーはそれまで正面から扱うことがなかった「国家」という主題に取り組むことを決意した。
過去の著作で確立された象徴(シンボル)に関する理論に基づきつつ、本書は国家を「神話」として解読していく。その射程は、古代ギリシアから中世を経て、マキアヴェッリ、ロマン主義、ヘーゲルから現代に至る、きわめて広大なものである。独自の理論を構築した哲学者であるとともに第一級の思想史家でもあったカッシーラーにして初めて書き上げることができた本書は、新たな危機に向かっているように見える今日の世界の中で、何度でも精読されなければならない。
政治学・ヨーロッパ思想史の大家が手がけた翻訳が、半世紀以上の時を経て、全面改訂と新たな解説を加えた文庫版として登場。

 第一部 神話とは何か
第一章 神話的思惟の構造
第二章 神話と言語
第三章 神話と情動の心理学
第四章 人間の社会生活における神話の機能
 第二部 政治学説史における神話にたいする闘争
第五章 初期ギリシア哲学における《ロゴス》と《ミュトス》
第六章 プラトンの『国家』
第七章 中世国家理論の宗教的および形而上学的背景
第八章 中世哲学における法治国家の理論
第九章 中世哲学における自然と恩寵
第十章 マキャヴェッリの新しい政治学
第十一章 マキャヴェッリ主義の勝利とその帰結
第十二章 新しい国家理論の意味
第十三章 ストア主義の再生と《自然法》的国家理論
第十四章 啓蒙哲学とそのロマン主義的批判者
 第三部 二十世紀の神話
第十五章 準 備:カーライル
第十六章 英雄崇拝から人種崇拝へ
第十七章 ヘーゲル
第十八章 現代の政治的神話の技術
結 語
訳 註
訳者解説
学術文庫版訳者あとがき
人名・作品名索引


エルンスト・カッシーラー[エルンスト カッシーラー]
著・文・その他

宮田 光雄[ミヤタ ミツオ]
翻訳

内容説明

「シンボル(象徴)」を軸にして科学、哲学、文化論を横断する数々の大著をものした、比類なき碩学エルンスト・カッシーラー(一八七四‐一九四五年)。彼は祖国ドイツでナチス政権の支配が頂点を迎えつつあった一九四一年、ついに長らく封印していた主題である「国家」を取り上げる。遺著となった本書は現代世界を根本から考えるための必読書である。

目次

第1部 神話とは何か(神話的思惟の構造;神話と言語;神話と情動の心理学 ほか)
第2部 政治学説史における神話にたいする闘争(初期ギリシア哲学における“ロゴス”と“ミュトス”;プラトンの『国家』;中世国家理論の宗教的および形而上学的背景 ほか)
第3部 二十世紀の神話(準備:カーライル;英雄崇拝から人種崇拝へ;ヘーゲル ほか)

著者等紹介

カッシーラー,エルンスト[カッシーラー,エルンスト] [Cassirer,Ernst]
1874‐1945年。ドイツの哲学者。新カント派から出発し、シンボル形式を軸にして独自の文化哲学を構想

宮田光雄[ミヤタミツオ]
1928年生まれ。東京大学法学部卒業。東北大学名誉教授。専門は、政治学、ヨーロッパ思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

11
ファシズムが席巻する時代に亡命した著者が、国家と政治を歴史的に批判検討する本書は、神話と理性が対話するギリシャから始まる。哲学では弁証法と呼ばれる対話は、著者にはプラトンやカントの無限で法外な神話的想像力を他なるものとして区別する終わりない弁証法理性である(マキャベリの現実的区別も含む)。一方、ヘーゲルの弁証法は前2者の感性と理念の区別を乗り越える客観的精神の具現化を国家に見出すための弁証法として区別される。本書では、後者の具現化が神話と理性の境界を曖昧にし、国家と政治を神話化してファシズムを生むとした。2019/04/29

Orange

3
地上権力の源泉の推移を、神話時代から20世紀まで考察。ナチス政権下においては人間理性が敗北した時期であったのか。「絶望的な状況においては、人間はつねに絶望的な手段に訴えるであろう」「理性がわれわれを見捨てた場合には、つねに残されているのは最後の議論、すなわち奇蹟的な、神秘的なものの力である」p478 のくだりはゾクッとくる。それは21世紀のこの文明の時代にあっても、神話的恣意の力を利用した全体主義が、なんらかのキッカケさえあれば、いとも容易く復活する可能性を指摘しているから。あーやだやだ。2018/11/25

フリウリ

2
文化や歴史の相対化や差別を考えるために。凄まじい本。●ストア派による人間の根本的平等という考え方が、中世キリスト教思想に受け継がれ、やがて自然法および自然法的国家理論の基礎となる。●19世紀初頭ドイツロマン派。形而上学的唯心論から唯物論へ。マキャベリズムの復権。●カーライル。英雄崇拝から白色人種崇拝へ。●ヘーゲル。英雄崇拝から国家崇拝、「世界精神の代行者」たる民族崇拝へ。帝国主義とファシズムへ。●以上のアウトラインは内容のごく一部。●19世紀以降の展開は日本も同じであろう。10/102022/06/26

asanosatonoko

2
難しかった…。読みやすい文章ではない上に、読む上で前提として知っておいた方がいい古今の思想家たちの主張、論点の把握がほとんどできていない状態での理解はほぼ不可能。あと100冊くらい読んでからまた読もう。2018/04/13

R

1
近代国家の成立前,王権を中心とした国家は存在理由として神話が必要であった。近代国家成立後も民主主義の勢力が弱まると神話の力が強まることになる。各時代の政治学を取り上げて神話と不可分だった時代から徐々に分化していく様子が述べられている。2019/04/23

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