出版社内容情報
ポピュリズム、思弁的実在論、OOO……ポスト・グローバル化が進行する新時代を生き抜くために、最低限おさえるべき思想はこれだ!●新時代を生き抜くために、最低限おさえるべき思想がここにある!
グローバル時代は終焉を迎えつつある。アメリカの保護主義や移民制限、イギリスの脱EUのようなナショナリズム的潮流に鑑みると、どうも時代が逆行しているようだ。他方、人々は、インターネットなどで、国境など気にせず本能や欲望のままにつながり合おうとしている。こんな新しい世界状況は「ポスト・グローバル化」と呼べるかもしれない。
この時代にあって、四つの新しい現象が世界規模で起こりつつある。一つ目は、ポスト真実や反知性主義といった、情緒的な決定が世界を動かす状況。二つ目は、理性とは無関係な、モノ主体の世界観の発生。三つ目は、AIやインターネットなどのテクノロジーの発達。そして最後に、シェアリング・エコノミーのような、共同性の拡大だ。
要するに、従来の理性主義にとって代わる、脱理性主義の多層的な知が、時代を規定しようとしているのである。これらが多項式のように連接することで、あたかも一つの多層な知が形成されている。これを〈多項知〉と呼んでみたい。「ヘーゲル的な絶対知から〈多項知〉へ」。この視点を理解しなければ、混沌とした世界を生き抜けない。
さあ、「私」と社会をいかにつなぐかを考える、まったく新しい公共哲学を打ちたてよう!
(本書の主な内容)
第一部 感情の知
1 政治は感情に支配されるのか?――ポピュリズム
2 地球規模の宗教対立が再燃する――再魔術化
3 アートこそが時代を救う――アート・パワー
第二部 モノの知
4 すべては偶然に生じている――思弁的実在論
5 独立するモノたち――OOO
6 非?人間中心主義の行方――新しい唯物論
第三部 テクノロジーの知
7 AIの暴走を止められるか――ポスト・シンギュラリティ
8 インターネットが世界を牛耳る――フィルターバブル
9 プライバシーなき時代を生きる――超監視社会
第四部 共同性の知
10 積極的な妥協が対立を越える――ニュー・プラグマティズム
11 ポスト資本主義社会は共有がもたらす――シェアリング・エコノミー
12 自分と他者を同時に幸福にする――効果的な利他主義
はじめに
第一部 感情の知
1 政治は感情に支配されるのか?――ポピュリズム
反知性主義とトランプ現象/信仰復興運動と結びつく/ポスト真実という救世主 ほか
2 地球規模の宗教対立が再燃する――再魔術化
宗教多元主義の限界/ハーバーマスの三つの要求/理性と感情の弁証法 ほか
3 アートこそが時代を救う――アート・パワー
「アートで社会変えたい」/未来の遊園地/無限で批評的なもの ほか
第二部 モノの知
4 すべては偶然に生じている――思弁的実在論
メイヤスーの相関主義/偶然性の必然性/マルクス・ガブリエルの批判 ほか
5 独立するモノたち――OOO
徹底的にバラバラである/概念の曼荼羅/モノが社会の中枢を担う ほか
6 非―人間中心主義の行方――新しい唯物論
産業組織そのものが価値を生み出す/社会的実体と心の独立 ほか
第三部 テクノロジーの知
7 AIの暴走を止められるか――ポスト・シンギュラリティ
ロボットが意識を持つ可能性/2045年に訪れる変化/狂った理性としての非理性 ほか
8 インターネットが世界を牛耳る――フィルターバブル
ユーチューバーへの対処/薄暗がりのウェブ/「つながり」と「閉じこもり」 ほか
9 プライバシーなき時代を生きる――超監視社会
スノーデンとパノプティコン/リキッド・サーベイランスの問題/安由――自由のための蜂起 ほか
第四部 共同性の知
10 積極的な妥協が対立を越える――ニュー・プラグマティズム
プラグマティズムの系譜/ニュー・プラグマティズムとマクダウェル/公共哲学としてのプラグマティズム ほか
11 ポスト資本主義社会は共有がもたらす――シェアリング・エコノミー
コモンズの利権/第三のシステム「グローバル・ヴィレッジ・シェア」/コラボ消費 ほか
12 自分と他者を同時に幸福にする――効果的な利他主義
与えるために稼ぐ/リベラルな社会の定義/コスモポリタニズムからの提言 ほか
おわりに
小川 仁志[オガワ ヒトシ]
著・文・その他
内容説明
「私」と社会をいかにつなぐかを考える、まったく新しい公共哲学を打ちたてよう。新時代を生き抜くために、最低限おさえるべき思想。
目次
はじめに 「私」をアップグレードするために
第1部 感情の知
第2部 モノの知
第3部 テクノロジーの知
第4部 共同性の知
おわりに 未来のための新しい公共哲学
著者等紹介
小川仁志[オガワヒトシ]
1970年、京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部准教授。京都大学法学部卒業後、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。専門は公共哲学。徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。大学で新しいグローバル教育を牽引する傍ら、商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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