出版社内容情報
山のむこうにすむ、まだ見ぬおともだちのために、クマタは一ばんたいせつなえほんを、手ばなしますが……。森山京による心温まる童話クマタは、『かいがらのおくりもの』というえほんが大すきです。
まいにちまいにち、こえにだしてよんでいました。よみおえるたびに、
えほんのなかにいるキツネの子に「ばいばい、またね」とはなしかけ、
ほんとうのともだちのようでした。
ある日、山のむこうに大あめがふりました。
あちらでは、いえが水びたしになるなど、たいへんなことがおきている。
そうきいたクマタは、いてもたってもいられず、ともだちとそうだんして、えほんをおくることにしました。一ばんたいせつなえほんをおくったところ、クマタにおれいのおてがみがとどいて……。
心温まるお話です。
森山 京[モリヤマ ミヤコ]
著・文・その他
鴨下 潤[カモシタ ジュン]
著・文・その他
内容説明
クマタは、『かいがらのおくりもの』というえほんが大すきです。一日に一どは、かならず手にとります。えほんの中の、キツネの子とほんとうのともだちになった気がするほどです。でも、ある日、クマタはえほんをおくるけっしんをしたのでした…。小学一年生から。
著者等紹介
森山京[モリヤマミヤコ]
東京都生まれ。おもな作品に『きいろいばけつ』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
64
とても優しいお話でした。クマの子クマタの大好きな一冊の絵本。毎日読んで、文章も全部覚えている。でも…。あなたは自分の大好きなものを誰かに譲ることが出来ますか?クマタは決断します。すると素敵なことが…。震災の翌年に出版されたのですね。鴨下潤さんの描く絵がほんわか。2021/05/12
k sato
32
自分の一番大切なものを誰かにあげる勇気が欲しい。熊のクマタは読書が大好き!一番のお気に入りは「かいがらの おくりもの」です。その本は、キツネが一番お気に入りの貝殻をリスにプレゼントするという物語です。ある日、隣の村で水害が起こり、多くの住民が避難生活を強いられました。水害を逃れたクマタたちは、隣村のために支援物資を送ることになるのですが、クマタはお気に入りの絵本を送るか迷ってしまいました・・・わたしは、お気に入りの物を手放す寂しさに打ち勝てません。クマタやキツネみたいな、利他の精神を持ちたいです。2023/10/05
anne@灯れ松明の火
30
読友さんご紹介で、気になっていた。表紙のクマタがかわいすぎる~♪ 南の隣市で。毎日毎日、読み返す、お気に入りの絵本。一番一番大切なもの。それを手放すことなんて、できないよ。でも、クマタは汚れのあるものを人に贈ることはできないとも思う。汚れがないのは、お気に入りの絵本だけ。いかに大切にしてきたかがわかる。さあ、クマタはどうする? ほっこり温かい、素敵な作品^^ オススメ♪ 森山京さん、鴨下潤さんも追っかけよう~!2015/10/27
小夜風
27
【図書館】あぁもう涙が出ちゃう。一番好きなものを誰かにあげるなんて、果たして大人の自分でも出来るかどうか…。クマタは悩みに悩んでお母さんに相談しますが、お母さんの答えは「それは、クマタが自分で決めることですよ」…。自分で決めたからこそ、思いが報われた時の喜びもひとしおですね。挿し絵も素敵でした♪2014/09/03
Kumiko
18
数日かけて、寝る前の読み聞かせ本に。子供も「かいがらのおくりもの」の話を知っていたので、入りやすかったみたいです。クマタは、大切な本を手放してしまったけれど、代わりになるものを手に入れられて、良かった。これからは「かいがらのおくりもの」を毎日読んだみたいに、届いた手紙を読むのでしょう。そしてそれは多分、もっと増えていく。何通にも、何十通にも。暖かい気持ちが山を越えて繋がっている。いい本でした。2016/06/10