出版社内容情報
地球をきれいにするロボットたちが見なした最大の害悪が、人類だった――。近未来。
ロボットに育てられた「ななちゃん」は、同じ境遇の天才科学者「八津くん」とともに研究生活を送っていた。ある日、死の病に侵されて八津くんは倒れる。ななちゃんは彼を救う治療法を開発するための時間を稼ぐために、コールドスリープを提案する。八津くんは自らが生み出したクローンたちとななちゃんを残して眠りにつく。目覚めると数十年後、八津くんの眼の前には年老いたななちゃんとさらに増えたクローンたちがいた。八津くんは手術によって救われたが、年老いたななちゃんの寿命は今にも尽きようとしていた。八津くんが眠っていた間に勃発した戦争で世界は荒廃し、兵器となったロボットやAIを人類は憎悪するようになっていた。ななちゃんは、残された命を地球を浄化するロボットの開発に捧げていた。そのロボットを生み出すことで、人間とAIを和解させようという夢を持っていたのだ。病床に臥せったななちゃんの側で、八津くんとクローンたちはその遺志を継ぐことを誓う……。
第一話 死別
第二話 浄化
第三話 無人島
第四話 空っぽのやつでいっぱい
第五話 花
アボガド6[アボガドロク]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
の
26
ロボット、クローン、終末、戦争、命。好きな題材に、アボガドさんの柔らかなタッチ、読了後にほぉっと息をつきたくなるような、そんな作品でした。2020/08/16
美葉
21
ロボットと人間の戦争。こんな未来は嫌だ。2020/10/22
夕顔
8
とても良かった。短編として読んでもいいけど、まさかここまで話を続けてくれるとは思わなくて、ストーリー構成が上手いなあと。シンプルな絵柄だからこそ、ストーリーがガツンと胸に響く。色々と考えさせられる。才能ある人だ。2018/09/01
よし
6
人間とロボットの対立&共存をめぐるクロノクル。ヴィレジヴァンガードで目にとまりました。先進的なクローン技術とロボット技術を背景に泣かせます。白旗を掲げているロボットの島への爆破命令が出たシーンにはドキッとしました。表紙カバーを取ると「ななちゃん」と「やっくん」が墓標のない草原を駆ける絵が描かれていて心憎いです。2019/05/01
むきめい(規制)
5
ロボットとクローンの命についての物語。おおよそのやりたいことをやりきった感のある作品でしたね。2020/02/06