内容説明
時は平安。殺人未遂と、皇后へ呪詛をかけた犯人として追われる身となった昌浩。その背後では播磨陰陽師の長から遺わされたという男が事件の糸をひいていた。しかし、冤罪で捕縛されそうになった昌浩を、なぜか播磨陰陽師の螢が助け、共に逃亡する。その途中、昌浩たちは何ものかの式に襲われて―!?さらに、都では帝が昌浩の父・吉昌をはじめ、安倍家のものたちの罷免を計画していた。雌伏の時を数える“籠目編”第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のほほん@灯れ松明の火
20
お話そのものの進展はなかったようですが、昌浩自身にとっては、立ち止まって、体と心を休めることができて、心身ともに色んな意味で成長した話だったように感じます。最初の頃は苦手だった敏次さんが、こんなにキーマンになろうとは。。。成親兄様がかなり素敵でした!この怒りは きっと、倍返しどころではすまないんだろうなぁー。次巻がとても楽しみです! 2011/06/03
ひめありす@灯れ松明の火
18
とっしー良い子だなあ。昌浩も一皮剥けてまた元気になってきたみたいだし。今度は声変わりかな?男の子の成長は、地力のある分、ある時ぎゅうん、と一気に伸びるのだということを実感。安倍家のお兄ちゃんたちもとっても格好良かったです。安倍家を有能な術者の一家を敵に回すというのは末恐ろしいことなのですね。常に味方の気持ちで読んでいるので、今回ハッとします。道長様の帝への一喝もよかった。どんなに偉くても諫めてくれる人って、大切なのだなあと思います。晴明の気持ち、章子の思慕、風音の心遣い、媼と翁の優しさにほろりとしました。2011/07/11
ダージリン
17
表紙と帯で煽られました。兄ちゃんズ頑張れ~目にもの見せてやって下さい(笑)。晴明様の心痛はいかばかりかと・・・。昌浩くんはやっと自分のペースをとりもどせたところ。籠目編まだまだ続きそうです。2011/07/07
Mu@芒羊會
9
カゴメ編第3巻。主人公はほとんど出てこないし物語は動かないし嵐の前の静けさというか起承転結の承の巻ですね。カゴメ編に入ってほとんどそうなんだけど昌浩の見せ場はなく、見所はむしろ安倍家の親兄弟や敏次の頑張りの方だな。でも個人的本巻のハイライトは主上と相対する道長の場面。たとえやましいところはあろうとも運命を引き寄せよつかみ取ろうとするその強烈な信念がさすがは道長と思わせる。これまで登場してきたあまたの陰陽師や神とはまた違う凄さだな。さて物語は次巻いよいよ動きを見せそうだけど、どうなっていくのか?期待したい。2015/05/03
紅羽
9
籠目編、第三巻。依然として嫌疑が晴れず、逃亡者として逃げ続ける昌浩。しかし、事件を裏で糸引く存在が分かり始め、僅かですが反撃の兆しが見えたようです。この章が始まってから後手に回る苦しい展開が続いていたので、そろそろ動き出す時ですね。そんな中に封入されたペーパー、伊勢組の様子を描いた可愛らしいお話で、何とも言えず頬が緩みました。2012/10/31