悪い夏

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  • サイズ 46判/ページ数 329p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041061824
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞! 迫真の犯罪小説。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

578
大賞ではない優秀賞という事で読むか悩んだが、思いのほか楽しく読めた。横溝正史の名前を冠した賞にはそぐわないし、ケースワーカーのディティールも書き込みは浅いし、特にミステリの要素もないが、他のレビューにもあるように、奥田英朗の『邪魔』『最悪』あたりの世界観。登場人物たちに「ああ、こういう人いるいる」という共感は強く感じられ、それがたまたまいっせーので悪い方向に転じていってしまっただけ(ヤクザの人は例外)な感じ。応募する賞を間違えてる気がして仕方がないのだが、乱歩賞とかも乱歩関係ないしこんなものなのか。2017/10/11

nobby

237
何だかハチャメチャな展開を楽しんだ一冊。生活保護をめぐる不正受給者と行政とのせめぎ合い、その模様は少し立場違えど仕事柄よく聞く内容ばかりで何とも名伏せ難い。そこに悪徳ケースワーカーやヤクザなどが関わり、MDMA・覚醒剤や虐待などで闇を描くのを一気に読めるが、ちょっと極モノをこのテーマで書くのが個人的には違和感が強かった。保護を求める・認める双方に登場する公然として“善”なキャラが堕落していく様が分かりやすくも何ともせつない。誰にでも起こり得るとはならないまでも、各々の自己擁護の言葉が鼻につくも身に染みる…2018/05/12

ウッディ

235
生活保護の不正受給者、その弱みに付け込むケースワーカー、さらに恐喝して金を巻き上げようとするヤクザ、悪いやつらがいっぱい。松本清張の「わるいやつら」を思い出しました。それも巨悪ではなく、小悪党ばかりの・・。不幸な人は這い上がるため、他人を蹴落として、不幸に陥れるという負の連鎖。愛美と美空を救おうとしたまじめな福祉事務所員の佐々木守も、ヤクザの罠にはまり、おかしくなってしまう。全く救いのない話だったけど、エンタメ小説としては面白かった。ただ、こんな話は小説の中だけであって欲しいと願わずにはいられなかった。 2018/04/23

いつでも母さん

212
読み始めて柚月さんの作品と被る?と思いきや、終息不能のラストに向い、人が堕ちるのはこんなに簡単なのだと・・古川佳澄・勇太母子だけが痛ましい。いよいよになったら私は佳澄タイプだろうか?団地の噂好きで「私にも頂戴よ。」と言うおばさんタイプだろうか?ケースワーカー・守に期待をしていたのだが、もうこれはやばすぎる。悪い奴に年金生活者より生保者の暮らしが良いのではなく、生保者よりも多く年金を受給できる社会に視点を変えると云わせるのはあまりにも詭弁ではないだろうかー全てがガラガラ音を立て砕け散って夏。読後感は悪い。2017/10/15

yumimiy

200
染井氏三冊目、一番面白かった。「悪い夏」というより「悪い顔選手権」って感じ。登場人物殆どがにエントリー出来る輩ばっかし。テーマは生活保護と不正受給、いかに労働せず金貰って遊べるか、そんな自堕落な男に知恵を与える医者やヤクザ。夢も希望もないシングルマザーの手当てをピンハネし身体を求めるケースワーカー、ホント呆れちゃうがすべてあるあるなんだろう。ちょっと気の毒なのはケースワーカーのマモル君、世間にも女にも疎過ぎた結果、悲喜劇ピエロとなる。これ大好きな「ララピポ」に通じる。人生どんな落とし穴に嵌るか分からないね2021/03/26

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