角の生えた帽子

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041060506
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

快楽殺人の悪夢、偏愛、運命の残酷…行き止まりの人間たちを描く傑作集!

内容説明

毎夜、同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことで性的興奮を覚えるという夢だ。その夢はまるで自分がやったかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件の犯人がつかまったニュースが流れた。そこには自分と同じ顔の、違う名前の男が映っていた―。行き止まりの人間たちを描いた全九篇。

著者等紹介

宇佐美まこと[ウサミマコト]
1957年、愛媛県生まれ。2006年、「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞“短編部門”大賞を受賞しデビュー。17年、『愚者の毒』(祥伝社文庫)で第70回日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”を受賞。日常に潜む怪異を描き、恨みや妬み、欲や貧困など、人の心の闇や怖さを浮き彫りにしたミステリーが高く評価されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

220
うわー!とてもゾクゾクしました!ホラー要素を含む奇妙で不思議なお話9編入り。うち4編書き下ろし。初めて宇佐美まことさん読みましたが面白い‼︎不穏な空気が漂う中、読み進めるのドキドキでした。ただ怖いのではなく人の心の闇や切なさも描かれていて良かった!バラエティ豊かでラストも捻りがあり楽しめる!世にも奇妙な物語の原作にもなりそう♪「角の生えた帽子」は掴みにいい感じ!「夏休みのケイカク」「左利きの鬼」が印象的*「城山界隈奇譚」「みどりの吐息」「湿原の女神」も良かった!どのお話も余韻が残る。とても面白かった♪2018/01/23

しんたろー

218
宇佐美まことさん初読み。9つの短編は、現代日本の怪談と言えるものだった。語り口の巧さからアッと言う間に内容に入り込めて、ハラハラしながら読んでいるうちにゾッとする結末のキレが良いので、後味が良く無い筈なのに何故か爽快感さえ感じる。単に怖がらせるだけでなく、哀しい人間ドラマが盛り込んであるからだろう。どれも甲乙つけがたいが、切なさや不条理が程好いスパイスになっている『夏休みのケイカク』『あなたの望みどおりのものを』『左利きの鬼』の3編が特に好き。評判の高い長編『愚者の毒』も早く読まなくては♪♪♪2018/02/28

🐾Yoko Omoto🐾

178
どこか見知らぬ異世界と地続きにあるのではないかと疑ってしまいそうな、怖気を伴う奇妙で不思議な体験を描いた9つの物語。あらゆる種類の欲望に、因縁・孤独・執着・復讐・後悔…あちら側へと足を踏み入れる切っ掛けとなるのは一体どの感情なのか。各編は短くもバラエティに富み、不思議な余韻に満ちながら驚きと納得の結末が用意されている。マイベストは、山奥に住む独居老人の昔語りが恐ろしくも悲しい「みどりの吐息」、鬼子母神をモチーフに大きな力の導きを具現化したかのような「左利きの鬼」。全編非常にハイレベルで、その手腕は鮮やか。2018/01/11

nobby

177
読み終わった今、暫し目次を眺めて愉悦に浸る…こんな素敵なひと時「ハンパじゃねぇ」30頁程度の短編9つが醸し出す怪異・心霊・空想など雰囲気がもう素晴らしいが、そこに人間の希望そして欲深、あるいは闇や切なさといった心情が絡められるのがスゴい!終盤で明かされる事態が自分の浅はかな予測を遥かに越えて行くのにも思わず仰け反る(笑)各話とも絶品で選ぶのが難しいが、印象深いのは植物繋がりでゾクッとさせられた「花うつけ」「みどりの吐息」生と死への哀しさが浮き彫りになる「あなたの望み通りのものを」「左利きの鬼」を挙げたい。2019/02/20

utinopoti27

170
本書は主に人間の業のようなものをテーマに、不思議な味わいを醸し出す9つの短編で構成されています。工場で働く男は、女性を殺す夢を頻繁に見るのですが、ある日本当に夢に見た事件が起きてしまう。しかも逮捕された容疑者は、自分に瓜二つで・・。この「悪魔の帽子」は、湿り気を帯びたような陰鬱な世界観ではあるけれど、意外なヒネリが効いていて、けっこう好きです。その他の話もいい感じにまとまっていて、様々な怖さが味わえることでしょう。計算ずくのあざとさが感じられない分、じんわりと尾を引く読後感がかえって新鮮かもしれません。2018/04/29

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