犬が来る病院―命に向き合う子どもたちが教えてくれたこと

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041035085
  • NDC分類 493.9
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「わたしの病院、犬がくるの」聖路加国際病院 小児病棟での感動の記録!聖路加国際病院は、日本で初めて小児病棟にセラピー犬の訪問を受け入れた医療機関です。本書は、著者がそこにおよそ3年半にわたり取材した中で、出会った四人の忘れがたい子どもたちの生死を通して描いた感動のノンフィクションです。四人のうち二人は生還できましたが、二人は幼くして世を去りました。亡くなった子どもたちは、短い人生の最後の日々をどう生きたのか。また、退院した子どもたちは、小児病棟での日々から自分の人生に、どのような影響を受け今を生きているのか。入院中であっても、子どもたちが豊かな時間を過ごし、困難を乗り越えていけるように、医師や看護師、保育士、心理士、チャプレン(病院等で働く牧師)など数多くのスタッフたちで行われる取り組みについて、四人の子どもたちを通して描いた感動の記録。

はじめに
第一章 子どもたちの生きる力を引き出す
セラピー犬が来る日/犬の訪問活動はどのように始まったか/子どもが子どもらしくいられるように/トータル・ケアを支える協働/きょうだい支援
第二章 出会い 
ちぃちゃんとの出会い/犬の来る病院へ/自分の内から出る笑い/信ちゃんと翔太くん/つばさ学級/ちぃちゃんの退院
第三章 闘いの日々
悦子さん/ちぃちゃん、再入院/友情を育む/どうして神様は二度も私を病気にしたの?/クリーンルームへ/骨髄移植
第四章 別れ
再々発/思い出作り/セイラの旅立ち/最期の日々/花が散った
第五章 最後まで豊かな時間を
信ちゃんと翔太くん、退院/危機/そらぷちキッズキャンプへ/新しい家族を迎える/信ちゃんの最期の日々
第六章 病を生きるということ
悦子さんの高校生活/整形外科での苦闘/暗いトンネルを抜けるまで
第七章 それぞれのその後
医師をめざして/いくつもの山を越えて/一人だったらがんばれなかった/悲嘆とどう折り合いをつけるか
おわりに―あとがきに代えて
小児がんの治療とトータル・ケア   細谷亮太(聖路加国際病院 顧問)

大塚 敦子[オオツカ アツコ]
一九六〇年生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争の取材を経て、死と向きあう人びとの生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で、二〇〇一年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞。『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書)、『地雷のない世界へ はたらく地雷探知犬』(講談社)など著書多数。

酒井 駒子[サカイ コマコ]

内容説明

「わたしの病院、犬が来るの」それは、子どもたちへのすばらしい贈り物だった。日本で初めて小児病棟にセラピー犬の訪問を受け入れた医療機関、聖路加国際病院。入院中であっても子どもたちが豊かな時間を過ごし、困難を乗り越えていけるように、医師や看護師、保育士、心理士、チャプレン(病院で働く牧師)等多くのスタッフたちで行われる取り組みを、4人の子どもたちの生死を通して描いた感動の記録。

目次

第1章 子どもたちの生きる力を引き出す
第2章 出会い
第3章 闘いの日々
第4章 別れ
第5章 最後まで豊かな時間を
第6章 病を生きるということ
第7章 それぞれのその後

著者等紹介

大塚敦子[オオツカアツコ]
1960年生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争の取材を経て、死と向き合う人びとの生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。『さよならエルマおばあさん』(小学館)で、2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃちゃ

71
ちいちゃんは小学1年生で発病し、二年近く白血病と闘って天に召された。聖路加病院は、日本で初めて小児病棟にセラピー犬の訪問を受け入れた医療機関だという。子どもたちが子どもらしく成長し希望を持って生きられるように、QOLを高める取り組みがなされている。一人ひとりの心に寄り添う手厚いトータルケア、「犬の来る病院」はまさに子どもたちの生きる力を引き出す。フォトジャーナリストの大塚敦子さんが撮影した、病床のちいちゃんのはじけるような笑顔。その一瞬の輝きを支えていける体制づくりが広がることを願わずにはいられない。2017/06/22

Ikutan

66
酒井駒子さんの優しい装丁に惹かれて。第63回青少年読書感想文課題図書。セラピー犬の訪問活動が実現した聖路加国際病院で難病と闘う子どもたちの感動の記録。これは想像通り涙なしでは読めませんね。生死に関わる病と闘いながらも周りを気遣う優しさ。希望を失わない前向きな姿。そんな子どもたちの姿に胸を打たれます。子どもを見守る家族の愛情や全力でフォローするスタッフの姿勢も素晴らしい。そして、なんと言っても間に挟まれた子どもたちの笑顔の写真が印象的でした。この笑顔に繋がるセラピー犬の活動がもっと広まって欲しいと思います。2017/06/16

itoko♪

65
第63回読書感想文 高校生の部 課題図書。日本で初めて小児病棟にセラピー犬の訪問を受け入れた医療機関 聖路加国際病院。子どもと犬との微笑ましい触れ合いを描いた作品だと思って読み始めたのだけど、命の重みや やるせない気持ちを噛み締めさせられる作品だった。多感な高校生たちなら更に伝わることや考えさせられることが多い作品だと思う。我が家の高校生にも読ませて、一緒に考えたいことがたくさんある。2017/07/15

瑪瑙(サードニックス)

49
題名からてっきりセラピー犬の話だとばかり思っていたのに違っていました。セラピー犬がやってくる病院で病と闘う子供達のお話でした。病と闘っている子供達の方が早く大人になるようです。それだけ過酷な経験をしているわけですね。病に打ち勝った子供達が、亡くなった子供達の事を思いながら、夢を叶える為に不安を抱えながらも歩いていこうとしている姿が眩しかったです。小児科は減りつつあります。でもこの病院のようにトータルケアをしてくれる所が増える事を願います。2017/02/08

る*る*る

34
高校、今年度課題図書。聖路加病院は、日本で初めて小児病棟にセラピー犬の訪問を受け入れた医療機関。犬との触れ合う話から当時入院していた4人の子どもたちの治療中、治療後の生活を丁寧に取材。この病院の患者たちへの事細かな配慮、職員たちからの愛情たっぷりな入院生活をこの本で知る。それは患者だけに留まらず、その家族・きょうだいへも。『こどもたちの心や家族のことなど、その子の全体に向き合うことで、治療も進みます』先生の言葉✴︎素晴らしい職員、いや、大人たちが勤務している!2017/06/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11206146
  • ご注意事項