出版社内容情報
東野 圭吾[ヒガシノ ケイゴ]
著・文・その他
内容説明
悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか!?
著者等紹介
東野圭吾[ヒガシノケイゴ]
1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部卒業。エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、12年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、13年『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、14年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
1616
とにかく小憎らしいほど読者を感動させるファクターが散りばめられている。東野圭吾が本気で“泣かせる”物語を書くとこんなにもすごいクオリティなのかと改めて感服した。テーマが普遍的であり、読者に当事者意識をもたらせ、登場人物に自身を投影させる親近感が生まれるからだろう。語りたいエピソードの嵐であるのに思いが強すぎて何を語ればいいのか解らない。それほど心に響いた。特に浪矢雄治の人柄が実に素晴らしい。読み終わった後、しばらくジーンとして動けなかった。またもや東野圭吾に完敗だ。しかもとても清々しくやられちゃいました。2016/12/05
しんごろ
1262
未来と過去をなぜか往き来しながら悩み相談する雑貨店の話!かなり面白いね!(^^)また再読すること間違いないです!話がとんだと思ったらちゃんとつながってるし、いわゆる伏線を拾うという技ですね(^^)全ての章が面白くステキな物語でした(^o^)そして手紙の温かさを感じました(^^;)それから、これを読んだら『生協の白石さん』を読みたくなります(^o^)BGMには、いろいろ悩みましたが九州男の『マルアール』がいいかと思います(^^;)2016/03/29
zero1
1132
【情けは人の為ならず】時空を超えた言葉の力。泥棒三人組が廃屋の元雑貨店に隠れる。そこは相談で有名になった店だった。誰もいないはずの店に、相談の手紙が届く。モスクワ五輪(後述)を目指す選手、養護施設の歌手、回答者とその息子。ビートルズの思い出と夜逃げ。そして女性実業家。すべての人物が雑貨店でクロス。「陳腐」とか「ご都合主義」と批判するのは容易。しかし誰かを救い【伝えることの大切さ】を訴えたのは確か。読んでいて「リプレイ」や「夏への扉」を思い出す。残酷なようで、この世は善で成り立っている。2019/11/28
サム・ミイラ
1036
三十年前と現在との手紙のやりとりということで、まあなんでもありになってしまうのは仕方ない。でも時代考証がしっかりしているのでもしかしたらこんな事もあり?と思えるのは東野圭吾の手腕か。確かにそれぞれの話は悪くない。泣けないけど。読み終えると全てはナミヤ雑貨店とある施設の縁の物語だったと分かる仕掛け。その縁が実は重要でここは読んでもらうしかない。だから繋がり過ぎるほど繋がっているが正直私はここまでやらなくてもと思う。登場人物のひとりに偶然が多いと語らせるに至ってはもう居直りに近い。ここが一番の衝撃だった(笑)2015/09/13
ehirano1
987
読み始めから「これはイケるゾ」感満載の予感。ファンタジーとリアルの境界が絶妙でタイムトラベルモノとしては他書を圧倒していると思いました。勿論あっという間の完読でページを捲るのがなんだかとっても勿体ない気分でしたが、とても充実した読書となりました。2021/11/03