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出版社内容情報
全てを買えるカネがある。それでも買えない望みがある。あらゆる奇跡を買えるカネ「魔石通貨」。それを巡り戦う失井敗斗は、ある日勝ち取った資産に含まれていた少女メリアの持ち主となる。しかし彼女が秘めた価値は、果てなき争奪戦へ二人を導くほどに規格外のもので!?
玖城 ナギ[クジョウ ナギ]
著・文・その他
Mika Pikazo[ミカ ピカゾ]
イラスト
内容説明
金額次第で超常現象さえも買える悪魔のカネ“魔石通貨”。その争奪戦『取引』に明け暮れる高校生、失井敗斗は「ますたーが望むのであれば、えっちなことをされても…」戦利品として手に入れた『資産』の少女、メリアの所有者となる。カネ至上主義の敗斗は仰くメリアを売り払おうとしたり、命がけの『取引』に利用したり、非道な扱いをするのだが…。メリアが宿す秘密が暴かれ、世界の標的となったとき「買い付ける。未来永劫メリアを奪おうと思えなくなるほどの恐怖を」敗北を宿命づけられた少年が選んだのは、世界の敵となる道だった。第30回ファンタジア大賞“大賞”受賞の新王道マネーバトル!
著者等紹介
玖城ナギ[クジョウナギ]
『カネは敗者のまわりもの』にて、第30回ファンタジア大賞の“大賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
45
これは圧倒的弱者の少年が、1人の少女を救う為に圧倒的強者に挑む物語である。人の命も価値も、全てをカネで買うことが出来る。そんな残酷な世界の標的となってしまった少女。それを救うは敗北を宿命づけられた少年。これは確かに邪道極まる王道作品ですね。キャラの背景こそ不足しているけど、そんな欠点を補って余りある面白さがこの作品にはあ。それこそがカネというわかりやすい要素を使った緊迫感のある頭脳戦と、圧倒的強者に弱者が打ち勝つあの爽快感でしょう。これに古き良き王道の面白さが加わるんだから、そりゃ大賞を受賞する訳だ。2018/01/21
真白優樹
21
―――全てを買える金で買えぬもの、それは誰もが持ち合わせる物。あらゆる奇跡を叶える謎の通貨、そんなものに全てを捧げ、稼ぎ続ける事を選ばされた奴隷達。そんなどうしようもない奴等が、それでも譲れぬ物の為にぶつかり合うこの物語。それぞれに譲れぬ物がある中、少年は渡したくないものを守り抜く、そんな単純だけど大切なものの為、魔王になる。そんな彼の熱さが薄氷の上を疾走するが如き、窮地の連続の頭脳戦の熱と一つとなり、比類なき熱を手にしている。 この熱さ、是非とも多数の人に伝播してほしい。 次巻も須らく期待である。2018/01/21
たこやき
20
「金をめぐる物語」とはあるが、途中までは、言葉こそ出てくるが、ただの異能バトルモノ。ところが、中盤、実は……というのがあらわになり、メアリ奪還戦になってからの策略などは面白かった。読み終わって、「金を巡る」というの事には納得した。……ただ、読んでいてどうにも気になったのが、設定が後付けっぽく感じられること。つまり、最初から「こういう設定があるんだ」として、それをどうするのか? じゃなくて、何かした時には「これはこういう設定だから」と説明されるから。ちょっと後出しじゃんけんをされた感じがしたのも確か。2018/02/27
BUNBUN
19
金がテーマの作品でした。金を奪い合うのでギャンブルかと思ったら異能バトルのような内容だったかな。設定もしっかりしていたと思うし、キャラクターもよくて面白かったです。発想が素敵でしたね。 続きも気になるので、次巻も読もうと思います。 2018/03/13
ツバサ
18
カネで超常現象まで買えるという設定で作者が伝えたいことを物語にするのは素晴らしいな。途中までは、これが大賞作品かと思ったけど、読み終わったら大賞作品に相応しい出来で良かったです。2018/01/22