朝日新書
“問い”の読書術

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  • サイズ 新書判/ページ数 347p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022735775
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0295

出版社内容情報

【文学/日本文学評論随筆その他】人気社会学者が「経済」「世界史」「格差社会」などキーワードごとに問いを立て、本を入り口に社会を読み解く思考法を明かす。市場はなぜ道徳を締め出すのか、日本人が消費しない真の理由とは何か、資本主義の核心的謎とは、他者との連帯は可能かなど。

内容説明

市場はなぜ道徳を締め出すのか、日本人が消費しない真の理由とは、「KY」の呪縛から逃れられるか、未来の他者との連帯は可能か、あきらめると幸せになるのか、なぜ男と女(だけ)がいるのか…etc.学問も読書も本質をつかむコツは「補助線」の引き方!たくさん読む必要はないが、深く読む必要はある。“問い”が促すままに思考すると世界が拡がっていく。思考を触発し続ける25冊の愉悦。

目次

第1章 経済と規範
第2章 世界史で見る革命
第3章 現代社会と人間関係
第4章 格差社会時代の希望
第5章 科学の迷宮
第6章 愛と暴力のはざま
第7章 本質を問うダイナミズム

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年長野県松本市生まれ。社会学者。専門は理論社会学。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

94
よい本は解答ではなく、〈問い〉を与えてくれる、という命題のもとに25冊の本についてその内容について解説してくれて、読むポイントを示してくれ、最後に〈問いのポイント〉をいくつか示してくれ読者の対して考えさせる工夫がなされています。分野は社会学者らしく経済から社会科学の広い分野の本を紹介してくれます。コミックまで含まれています。まえがきに私にとって耳の痛い「本はたくさん読む必要はない。深く読む必要はある。」と書かれていて私もそのようにしようとは思うのですが、まだまだその境地にはたどり着けません。2015/07/19

trazom

85
大澤真幸先生による25冊の本の書評。社会科学、哲学、歴史、自然科学、ノンフィクション、小説と対象は幅広い。私が読んだのはこの内の約半分。読んだ本については、自分の読みの浅さを思い知らされ、読んでない本は、先生の読み解きの見事さに、改めて自分が読む必要はないと思えてしまう。先生のように深い教養で書物に対峙できたらと、いつも羨ましくてならない。「半沢直樹」の小説が「ヨブ記」だと喝破するとは、この人は凄い。書評を読むだけでこんなに楽しいのは、それが単なる要約や感想でなく、そこに常に「問い」があるからなんだろう。2021/02/09

井月 奎(いづき けい)

42
書評と要約と問うことへの誘いをとても分かりやすく、面白く書いています。本の要約、書評のみではなく著者への深い思いと理解をも書いていますので、紹介されている本を多面的にとらえることができます。選書指南書として読むものに迷ったらもう一度この本を手繰りましょう。問いを考えつつ読む。意識しなきゃあなあ。良書。 2021/03/10

ころこ

36
タイトル通りの読書を目指して取り上げられている本と考察を読んでも、とても同じようには読めないと絶望感を漂わせます。それは、その時点で出版された偶然性に基づいた選択のようでいて、所々で著者の蓄積から選ばれた重要本が忍び込められているからです。つまり、著者の関心から本が選択されており、論が展開されている。実際は、読者は読んでいるときに重要な本に出会うのではなく、後になって「あの本は重要だったのか」と気付くことになります。この本も早くも絶版という憂き目のようですが、私だけが非常に優れた本だと気付いているのです…2020/11/23

壱萬弐仟縁

35
’11年初出。たくさん読む必要はない。深く読む必要はある(3頁)。自戒。社会学者の本は長く、厚くなる傾向があると思う。自分も。市場社会の奇妙さは、究極目的は不定だが、何か積極的な意味をもっているかのように機能する点(30頁)。エンゲルスの歴史なき民とは、文明の発展をもたらした世界史に何の貢献もしなかった民族という意味。東欧民族の蔑称(92頁)。現代日本社会において、現実の秩序化の中心に不可能性がある(145頁)。第4章からは、格差が社会として続く以上は、社会としては持たないな、と実感することができる。  2015/01/19

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