朝日新書
新しい風土記へ―鶴見俊輔座談

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  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022733467
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0236

内容説明

日本はどこに行こうとしているのか。歴史をどうとらえるか。勝ちっぷりでなく「負けっぷり」をどう評価するのか―。姜尚中、中村哲、徳永進、アーサー・ビナード、上野千鶴子、四方田犬彦、中島岳志、孫歌、池澤夏樹の9氏とともに、歴史について、戦争について、言葉の力・表現について、自らの依るところについて、縦横無尽に語り合う。贅沢な思索のひとときを。

目次

1 課題をつらぬく視座(姜尚中―核と戦後民主主義;中山哲―国家を超えて生きる流儀;徳永進―生き死にを学びほぐす;アーサー・ビナード―心に届かない言葉;上野千鶴子―老いを生きる覚悟;四方田犬彦―枠にとらわれない視点)
2 アジアのなかの日本(中島岳志―パール判決書が、今に投げかけるもの;孫歌―中国文学者・竹内好の持つ広がり)
3 聞きたかったこと、話したかったこと(池澤夏樹―思想をつらぬくもの)

著者等紹介

鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年東京生まれ。15歳で渡米、ハーバード大学で哲学を学ぶ。アナキスト容疑で逮捕されるが、留置場で論文を書き上げ、42年卒業。同年日米交換船で帰国。46年、雑誌『思想の科学』創刊の中核を担い、べ平連などの社会運動にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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マリカ

13
徳永進さんとの対談が私には興味深かったです。徳永さんの「死との取引」のお話が特に。ヘレン・ケラーの「大学で習ったことを、アンラーン(unlearn)しなければならなかった」というのは、私も大学院にいた頃、実感しました。知識の蓄積も大切だけど、新しい知識を得る度に得た知識を学びほぐす必要性を今も常に感じています。2012/02/12

浅香山三郎

6
鶴見俊輔さんの対談集。鶴見さんは、著述したものもよいけど、対談本が面白い。 鶴見さんの話のなかには、大勢の人々(その中にはかなりの「無名」の人々を含む)の言葉や行動の記憶が出てくる。実践の中で如何に自分が見聞きした言葉を反芻して、そこから本質的なことを取り出してゐるかが、よく感じられた。 どの対談もよいが、中島岳志・孫孫歌・池澤夏樹の各氏との対談がよい。 (私は、この三氏の書いたものは、長いものは積ん読ばかり。やはりちやんと読まねばと思はされた。)2016/07/05

fonfon

6
孫歌さんとの対談が鶴見さんがこだわっておられる「越境」を扱って、私には最もスリリングな内容だった。日本が明治から100年でここまで壊れたのはなぜか?どう考えていらっしゃいますか、という上野千鶴子の問いに鶴見さんはこう答える。「社会が残ることに国家が気づけば、社会は国境を超えます。仏陀は、自分のなかに灯をともし、それを信じて犀の角のようにただ独り歩め、といった。その考え方が私の根底にある」徳永進さんとの対談、「生き死にを学びほぐす」は短すぎて残念。中村哲先生との対談も物足りない!朝日は加筆するべきだった。 2011/12/19

スズツキ

3
佐高信が対談の醍醐味は「お互いの違いを見出すことにある」と語っていたが、その意味では本書はどうにも響かない。語ることのできる人が減った昭和初期のことや戦前・戦後の知識人との回想は貴重。2017/04/04

新井徹

3
鶴見俊輔は90歳近くになる。あとがきで「六十歳くらいから、私は、自分の話に即興性が欠けてきたことを感じる。」って書いてるんだけどなんのなんの。対談はまさに即興性、アドリブの妙だと思うけど、読んでいて充分に楽しい。対談相手の姜尚中、上野千鶴子、四方田犬彦もそうだけど、中でも鶴見俊輔のブレなさは尊敬に価する。2011/09/10

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