内容説明
大津事件、日露戦争、バレリーナとの恋、ラスプーチン暗殺、革命、そして処刑…。大津で警備の巡査に襲われたにもかかわらず日本に好意的であったニコライは、日露戦争にも乗り気でなかった。ペレストロイカによって彼への評価が変わりはじめたいま、残された日記をもとに栄光と悲惨の生涯を明らかにする。
目次
訪日。大津で巡査に襲われ頭に負傷
長崎で竜の入れ墨をした皇太子
鹿児島・京都で受けた大歓迎
ロシア軍艦アゾフ号を天皇が訪問
レニングラードに眼っていた天皇の贈り物
天皇の謝罪を高く評価したロシア
皇太子が血道をあげたバレリーナ
父皇帝の死、即位。アリックスとの結婚
新皇帝は日露戦争に乗り気でなかった
戦争に敗れ、革命への胎動が表面化
血の日曜日事件とポチョムキンの反乱
皇帝の人間像や功罪についての誤解
国会開設。地に堕ちた専制君主の座
日露外交での日本側主役は本野大使
多難な時期にも、威厳に満ちた暮らし
ラスプーチンをめぐる宮廷の人間模様
革命から処刑へ。ロマノフ朝の崩壊