岩波新書
文明は“見えない世界”がつくる

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  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004316435
  • NDC分類 402
  • Cコード C0240

出版社内容情報

科学の目が明るみに出す〈見えない世界〉。古代から現代までの文明史を俯瞰し、文明の未来と可能性を探る。

内容説明

文明は、科学の目が明るみに出す“見えない世界”によってつくられる。“見える世界”の奥に潜む“見えない世界”。人間はその原理と法則をもとめて、思考と思索の長い旅を続けてきた。古代から現代までの文明史を俯瞰し、科学技術の発展とともに急速に広がる“見えない世界”の意味を問い、文明の未来とその新たなる可能性をさぐる。

目次

第1章 “見える世界”の奥にあるもの(カルデアの知恵;宇宙の背後に数を見出す;原子論の萌芽;理性か感性か;運動論の登場)
第2章 “見えない世界”の法則性は数字で記述できる?(ガリレオ革命;磁力という魔力;「新世界」がもたらした革命;科学的方法論の整備;万有引力の発見)
第3章 新たに出現した“見えない世界”(相対性理論の衝撃;「場」という概念の発見;量子の宇宙;超弦理論と一〇次元世界)
第4章 宇宙論における人間原理と文明(宇宙原理か、人間原理か;超物質的宇宙と人間圏の未来;万物の変化とエントロピー;人間圏における“見えない世界”の拡大)

著者等紹介

松井孝典[マツイタカフミ]
1946年静岡県生まれ。1976年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、千葉工業大学惑星探査研究センター所長、東京大学名誉教授。専攻、比較惑星学、アストロバイオロジー、文明論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

38
文明の歴史は、発見と発明の歴史と言われますが、鍵を握ってきたのは常に<見えない世界>でした(ⅲ頁)。<見えない世界>が<見える世界>に変化を及ぼすということに気づいた古代の人々(8頁)。場という概念が提唱されて初めて、遠隔力の正体が明らかになった(92頁)。時空とは、任意の二点間に、基準によらない、固有時間という量が決まっている広がりのこと(98頁)。光電効果とは、電極(金属)に紫外線(光)を当てると、放電により明るくなる現象。放電とは電子が金属から飛び出すこと(118頁)。2017/08/26

こぽぞう☆

15
文系の人向けに書かれたと思われるのだけど、この分量では理系の私でも難解。物理の素養がかなりないと無理がある。また、何をもって文明とするのか。著者は生物学的な問題や、人文学の歴史にはやや疎いようで、そっち方面には間違いもあるようだ。第4章、宇宙論における人間原理と文明 私にはここだけで良かったかな。岩波新書というよりブルーバックスにあるような本。2017/03/08

s.k

11
図書館本。完全文系人間なため、たまには理系的なアプローチへの理解も深めてみようという試みで借りてみた。残念ながら大半は頭が追い付かない。考古学や世界史を絡めた科学史は既存の知識と照合しながら興味深く読めた。人類の知的好奇心は底が知れない。すべてを解明しようとする行為は、正直少し怖さも感じてしまう。文明とは「地球システムのなかに人間圏をつくって生きる生き方」――成る程、そういう定義の仕方もあるのね。2017/09/18

たびねこ

8
アインシュタインの特殊(一般)相対性理論をはじめ<見えない世界>の解明こそ、宇宙の謎のキーであるという視点で書かれた最新刊書。人間原理やエントロピーの関わり、インターネット社会による相転移の可能性など興味深いくだりが多い。が、読み手に求められるレベルが高く難渋。2017/03/19

林克也

6
とくに、カラビ–ヤウ空間のこと、空間のひずみのこと、超ひも理論のことがとてもわかりやく表現されていて、面白いんだけど、そして勉強にはなったんだけど、この本総体としての感想は今一つ思い浮かばないのは何なんだろう。松井先生が言おうとしているのは、初めの方にあった、「人々の〈見えない世界〉に対する恐れが、宗教を生んだ」ということなのかもしれない。そのことを言うために、専門領域の知識を総動員して書いたのかなあ。2018/05/30

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