出版社内容情報
プルタルコスと友人たちが酒杯を手にテーブルを囲んで交わす楽しいおしゃべり.「宴会の幹事に適任の人間とは」「鶏と卵はどちらが先か」「ユダヤ人はなぜ豚を食べないか」「アルファはなぜアルファベットの始めにあるか」等々,よもやまの論題をめぐって話ははずむ.古代ギリシア・ローマの饗宴の席にあなたを招待する一冊.
内容説明
プルタルコスと友人たちが酒杯を手にテーブルを囲んで交わす楽しいおしゃべり。「宴会の幹事に適任の人間とは」「鶏と卵はどちらが先か」「ユダヤ人はなぜ豚を食べないか」「アルファはなぜアルファベットの始めにあるか」等々、よもやまの論題をめぐって話ははずむ。古代ギリシア・ローマの饗宴の席にあなたを招待する1冊。
目次
酒席で哲学論議をしてもよいか
宴会の幹事はどういう人物であるべきか
「恋は人を詩人にする」とはどういうことか
アレクサンドロス大王の飲酒について
なぜ老人は水で割らない酒を好むか
宴会で人からそのことを聞かれたりひやかされたりするとうれしくなるとクセノポンが言っているのはどういうことか
なぜ秋には空腹を感じやすいか
鶏と卵ではどちらが先か
宴会の料理はめいめいに盛り分けるのと大皿からめいめいが取り分けるのとどちらがよいか
なぜ女は酒に酔いにくく老人は酔いやすいか〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
80
「酒席で哲学談義してもよいか」「なぜ女は酒に酔いにくく老人は酔いやすいか」「鶏と卵はどちらが先か」「ユダヤ人はなぜ豚を食べないか」「アルファはなぜアルファベットの始めにあるか」等々。歓談というが、プラトンで云う饗宴か。今でいうシンポジウムほど形式ばらない。自然現象をあれこれ問答する議論が興味深い。科学なき時代、とんでもない妄説が飛び交う。古代ギリシア・ローマの饗宴の席に(創作であっても)こんな話が交わされていた。同時代の日本は弥生の前期か。当時の弥生の人々の会話を探るすべは何もないのかな。2020/10/18
かんやん
32
プルタルコスと愉快な仲間達が宴席で論じ合うテーマは、「酒席で哲学論議をしてもよいか」「なぜ秋には空腹を感じやすいか」「鶏と卵ではどちらが先か」等々……ハッキリ言うとどうでもよいようなことを、自説を曲げずというのではなく、様々な仮説を組み立て比べることを楽しんでいる。横になって、飲み食いしながらの、まさに歓談。もちろん科学的探究ではなく、論理的な展開もあまりなく、俗説や逸話、教養に流れがちだけれど、豊かなんですよね。ルネサンス文学を読むと、ラテン文学の引用に溢れていて、ラテン文学を読むと、ギリシャ哲学や→2021/03/15
壱萬弐仟縁
27
老人:体が衰弱して疲労しているから強い衝撃を受けることを好む(43頁)。感覚鈍化。 朝の音:もろもろの心配りで緊張。槌打つ音、鋸挽く音、税取立人の叫び声、裁判所や王宮や役所へと召集する役人の触れ声 (99頁)。この作品は中澤佳子のような飲んだくれが読めばよい。 18 結婚披露宴にはなぜほかの宴より多くの客を招くのか(126頁~)。数ではなくて質でしょう。 22 宴会に多くの人を招くのも、烏合の衆と思われた。少数精鋭で質の高い議論を。 2015/04/02
きりぱい
10
食卓というか、酒宴!それも女性や子供は加わらない。哲学的なことを論じるために飲むのか、飲むと哲学的になるのか、男たちだけの集まりではこんな話を肴に酒を飲んでいるのだ。そのスタイルがまた、全員寝椅子に横になるというもので、左を下にして横向き、ひじで頭を支えるのだそう。盃と料理は空いている右手で。なんだよもー、だれてるなーと、解説がちょっと面白かったりしたのだけれど、本編はさて・・。「なぜ女は酒に酔いにくく老人は酔いやすいか」「女の体質は男より冷たいか熱いか」がまあね。2011/01/29
がんもどき
7
今から約2千年ほど前のギリシアでの宴会を描いたもの、となっている。酒を飲みながら語ったにしてはえらく学術的なものを扱っているなと思う。現代人の目から見るとおかしい話も多いが何せ大昔のことだから、今の常識を当てはめて考えるのはナンセンスというもの。また当時の儀礼や常識を語ったものも多いので古代ギリシアを知る参考になる。なかなか興味深い本だった。2021/10/06