出版社内容情報
子どものいないおじいさんとおばあさんの所に,ある日9人も赤んぼうが生まれました.このきょうだいが成長したとき,王さまが大難題をふっかけてきました.中国の少数民族のお話の傑作絵本.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
142
中国の民話。ちからもち、くいしんぼう、はらいっぱい、ぶってくれ、ながすね、さむがりや、あつがりや、切ってくれ、みずくぐり、と名づけられた9人兄弟が、王様の策略と戦う(?)お話。よくもまあ、こう適材適所な人がいたなあ^^;王様はここまでの疑いと恐れを抱かなければ権力の座に就き続けられたんじゃないかと思うけど…権力への欲は身を滅ぼすという教訓が含まれたお話なのかも。2017/03/03
♪みどりpiyopiyo♪
72
それは、いつのころか、てんで、けんとうもつかないほどの おおむかし。イ族のある村に、としよりの ふうふが、すんでいました… ■これまた愉快なお話を読みました♪ 『シナの五にんきょうだい』と似てるけど、こちらは昔話です。■昔話らしいほっこり楽しい絵は赤羽末吉さん。昔話の王道ディテールを沢山散りばめた物語。■中国の昔話には無慈悲な支配者がよく出てくる気がしていましたが、異民族支配の歴史があるからなのですね。幾つもの民族に「○人兄弟」の昔話があるとか。重圧を跳ね除け笑い飛ばす逞しさを感じます。(1969年)2019/06/07
眠る山猫屋
63
中国イ族に伝わる民話から。マロニエ王国の七人の騎士に似ているよ、と耳にして読んでみました。もちろん差違はある。まずもって9人兄弟だし(苦笑)試練が過酷だし。悪い王さまが課してくる試練はヘラクレスのよう。9人がそれぞれの特技を活かして切り抜けるのはマロニエに近いが、9人は皆そっくりで、王さまは1人を相手にしていると思い込んでいる辺り、面白いな。2023/01/31
鱒子
55
図書館本。再読。悪い王様のひどい仕打ちを 飄々とかわす9人兄弟の話。名は体を表すというわけで、それぞれの名前は、 ちからもち、くいしんぼう、はらいっぱい、ぶってくれ、ながすね、さむがりや、あつがりや、切ってくれ、みずくぐり と分かりやすいです。勧善懲悪のスッキリした絵本です。小学低学年〜。2017/09/04
Totsuka Yoshihide
50
中国民話。君島久子訳、赤羽末吉絵。「すっかりこしがまがっても、まだ子どもはうまれません。」悲壮感が漂う老夫婦。老人から丸薬をもらい、いっぺんに薬を飲むと9人〔「ちからもち」「くししんぼう」「はらいっぱい」「ぶってくれ」「ながすね」「さむがりや」「あつがりや」「切ってくれ」「みずくぐり」〕も同時に生まれる。でも貧しくて育てられない老夫婦。「この子たちは、ひとりで、りっぱに、そだつのだ。」という設定に爆笑。子どもはこの絵本が痛快で好きなようです。赤羽さんの絵がより魅力的な作品にしているのかな?2023/08/07