出版社内容情報
2020年代半ば、日本は年間死者数が150万人を超す「多死社会」を迎える。高齢者は人生の最期をどう過ごすのか。家族はどのように「看取り」に臨むのか。「死」をめぐる現場を丹念に取材し、自分らしい最期を迎えるためのヒントを探る。
内容説明
二〇二〇年代半ば、日本は年間死者数が一五〇万人を超す「多死社会」を迎える。高齢者は人生の最期をどう過ごすのか。家族はどのように「看取り」に臨むのか。終末期医療の現実とは。在宅医療、特養ホーム、救急病棟など「老い」と「死」をめぐる現場を丹念に取材。自分らしい最期を迎えるためのヒントを探る。共同通信の好評連載を単行本化。用語解説のコラムや識者へのインタビューも収録。
目次
第1部 自分らしい「死」とは―「思い」と「現実」の間で(自宅で看取る;延命治療どこまで;認知症に寄り添って;ひとり身で逝く)
第2部 「多死社会」にどう向き合うか(旅立ちの介護―高齢者住宅での「看取り」の実践;第二のわが家で―ホームホスピスという新たな形;喪失とともに―広がるグリーフケア;救命のジレンマ―葛藤する医師たち;終末期医療の形―政官学の模索)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KEI
32
新聞連載されたものをまとめた本。まもなく日本は多死社会を迎える。超高齢化する中で、本人、家族、医療、介護、救命救急などの立場から、人としての最期がいかにあれば良いかを探っている。国が「入院より在宅へ」という方針を推進する中で、それを支える社会資源の実際。参考になったのはリビング ウィル、アドバンス ケア プランニング(事前の医療・介護の計画作り)という考え方だ。行きすぎた延命や看取る家族の心の問題にも触れ、高齢の親や我が身の最期を考えるヒントを貰えた。政治、行政面の整備も喫緊の課題だ。読んで良かった本。2018/05/16
長くつしたのピッピ
11
両親を始め近しい人を立て続けに亡くしたので、読んでいてとてもつらかった。きちんと看取れなかった後悔や、自分の場合はどうしたらいいのかという迷いなどさまざまな感情が押し寄せてきた。もう少し時間を空けて冷静に読み直そうと思う。2018/11/29
乱読家 護る会支持!
4
死に方については、みなそれぞれ、考え方があるやろうけど、、、 来世や魂の存在を信じ、「生まれてきた目的は魂の修行である」と考える僕は、、、 胃瘻も点滴も受けずに、口から栄養が取れなくなったら、干からびて、死んでいきたいなあ、、、、 あ、痛みはやわらげてね、、、 そやそや、エンディングノートを書いとかないと。。。2018/07/24
OHモリ
4
〇「どう死ぬか」=「自分が最後までどう生きたいか」●とはよく聞く言葉だけどとても大切な伝え方だと思う。大橋巨泉さんが在宅医に初っ端から「どこで死にたいですか」と聞かれたという話を聞いたことがある。本当かどうかは分からないけど、本当だとすれば残念なことだと思う。 〇2025年には国内の年間志望者数が150万人を越え、現在よりも20万人以上も増える。その9割が高齢者だ。●多死社会を間近に迎えることは間違いない、最期を家で迎えたいと思う人のほうが多いにも関わらず病院で最期を迎える人が多い現状・・・ 2018/06/21
ケイトKATE
2
『死すべき定め』や『死を生きた人びと』を読んでいるためか、個人的に本書から新たな発見があったわけではないが、家族や親しい人と死について語り合う必要があると思う。本書では、日本でも自分らしい最期を迎えるために、医療や介護、家族で動き出していることが書かれているが、その一方で、日本社会の死に対する恐怖や嫌悪感の根深さは本当に問題であり、緩和しないといけない。2018/11/10