出版社内容情報
作用素環は量子力学の数学的性質を論じるためにつくられた数学的概念である。無限、非可換、位相の概念を駆使して、従来の数学にはない新しい世界が切り拓かれる。物理・数学分野での現代的関心を見据えた待望の入門書。
内容説明
作用素環は量子力学の数学的性質を論じるためにvon Neumannによってつくられた数学的概念である。その本質は無限次元線形代数であるが、位相を駆使して無限を調教することで、従来の数学にはない新しい世界が切り拓かれる。場の量子論に自然に現れることから数理物理と関係で活発に研究され、また、微分方程式、代数幾何、微分幾何など数学諸分野との関係からも多くの関心を集めている。本書と続く第2巻はそれらの現代的な関心も見据えた作用素環の入門書である。とりわけ関心の強いC*環については独立に読めるようにと考え、続く第2巻にまとめた。本巻ではHilbert空間の定義から始めて、基礎的な3型因子環の分類までを取り扱う。
目次
1 関数解析からの準備(ベクトル空間上の位相;線形作用素;Hahn‐Banachの定理;一様有界性定理と開写像定理 ほか)
2 von Neumann環(von Neumann環の定義;スペクトル分解とトレイス類;正線形汎関数とW*環;可換von Neumann環;von Neumann環とC*環のテンソル積 ほか)
著者等紹介
生西明夫[イクニシアキオ]
1948年生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。専修大学商学部教授。専門は、作用素環論
中神祥臣[ナカガミヨシオミ]
1940年生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科博士課程中途退学。日本女子大学理学部教授。横浜市立大学名誉教授。専門は、作用素環論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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