学習指導要領は国民形成の設計書―その能力観と人間像の歴史的変遷

学習指導要領は国民形成の設計書―その能力観と人間像の歴史的変遷

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  • サイズ A5判/ページ数 291p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784861631474
  • NDC分類 372.1
  • Cコード C3037

内容説明

近代国家を創設した明治期の1872年から2010年現在まで、私たちの日本が学習指導要領などを通してどのような人間像を理想として国民形成を図ろうとしてきたのか、これを通史的に分析しました。

目次

近代的人間像を目指して―近代学校の創設と1872年小学教則
新知識を有する儒教的人間像―開発主義と儒教道徳の1881年小学校教則綱領
天皇制下の忠君愛国の臣民像―教育勅語と1891年小学校教則大綱
民本主義の産業社会で実用的な公民像―産業革命と1900年小学校令施行規則
皇国の道へ「行」的錬成に励む皇民像―軍国主義の1941年国民学校令
第2次大戦後の民主主義社会を担う市民像―経験主義の1947年・1951年学習指導要領
経済復興に努力する勤勉な国民像―系統主義の1958年・1960年改訂
高度経済成長下、生産性の高い目的追求型の国民像―構造主義の1968年・1969年・1970年改訂
成熟社会で多様な価値観の国民像―「ゆとり」志向の1977年改訂
生涯学習社会を自己教育力で切り拓く国民像―新学力観の1989年改訂
不透明な情報化時代を生き抜く国民像―「生きる力」志向の1998年・2003年改訂
グローバルな知識基盤社会で活躍する日本的市民像―「活用能力」志向の2008年・2009年改訂

著者等紹介

水原克敏[ミズハラカツトシ]
東北大学大学院教育学研究科教授(教育設計評価講座教育課程設計論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぺろりん

1
学習指導要領の変遷は教育学の基礎知識だが、戦前から現代までの理想的人間像の変遷史としてそれを描いているところが興味深い。政策的背景や具体的な事実の記述が充実している。2017/12/25

けいぎ

0
 カリキュラムを歴史的にたどって、政府(や世論)が、どのような教育を行おうとしてきたのか、どのような人材を形成しようとしたのか、検証する内容。 〔愛国臣民→民主主義を担う市民→経済戦士→新時代に対応する国際人〕 と、変遷していきます。 後半は、筆者が実際に時代を見てきたというのもあり、なんか かなり主観が混じっているように思います。が、カリキュラム史を包括的に、詳しめに辿れるので、読んで損ではないと思います。2013/07/08

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