出版社内容情報
気候変動緩和策の観点から期待が高まっている、海草などの海洋生物の作用によって海中に取り込まれた炭素=ブルーカーボンの最新報告2009年、国連環境計画は海草などの海洋生物の作用により海中に取り込まれる炭素を「ブルーカーボン」と名づけた。陸上の森林などにより吸収・隔離される炭素「グリーンカーボン」の対語である。気候変動緩和策の観点から期待が高まるブルーカーボンについて、二酸化炭素が大気から取り込まれ堆積物となるまでの物理化学的・生物学的プロセス、社会実装の実例、国際社会への展開までを報告する。
堀 正和[ホリ マサカズ]
桑江 朝比呂[クワエ トモヒロ]
目次
第1章 ブルーカーボンとは―海洋が有する二酸化炭素の隔離・貯留機能の特徴
第2章 大気からのCO2の吸収―吸収源としての沿岸浅海域の実証と新たな吸収メカニズムの解明
第3章 日本沿岸の藻場による有機炭素の生成―その量的試算と課題
第4章 堆積物における長期炭素貯留のしくみと役割
第5章 沿岸浅海域で隔離された炭素の行方―藻場から深海底までの移動評価
第6章 沿岸浅海域における気候変動の緩和と人為影響
第7章 ブルーカーボンの応用と実例―横浜ブルーカーボン事業
第8章 ブルーカーボンの今後―地球環境問題への挑戦