思春期病棟の少女たち

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  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794205568
  • NDC分類 936
  • Cコード C0011

内容説明

今は作家である著者が、病棟で出会った少女たちの素顔を生き生きと描く。十八歳、わたしは精神病院に入れられた。狂気と正気の危うい境界をとらえ、絶賛を浴びた全米ベストセラー。

目次

隣にある別世界
タクシー
病気の原因

自由
人生の秘密
スパイ
ここがあなたのわが家です〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

88
病棟にいる少女達はいわゆる精神疾患なわけだが、入院していなくても、心の奥深くに流れている狂気じみたものは17歳前後なら誰にでもあったような気がする。この原作をもとにした映画『17歳のカルテ』のほうを先に観ていたせいか、登場する少女達の雰囲気がそのまま、演じた女優達の顔つきや話し方になってしまい、それは良かったのかどうかわからない。舞台となる時代は1960年代なので、病院の対応など現代とはまた違う部分もあるはずだけれど、周囲の大人が彼女達を追い込んでいる側面はとてもいたたまれなかった。 2013/10/10

わっぱっぱ

8
脆くてあやうい少女たちの心が鮮やかに映る。眩しさをも感じさせるのは時の経過によるものなのだろう。 自分が何なのかわからなくなる時、誰も傷を求めてしまう。そうしながら、自分との付き合い方を知る。 傷つきやすい心(時期)を守り、個々の持つ可能性を引き出す対応は大切だけれど、それは決して診断で分類、記号化し、薬、監視によって“治療”することではない。2016/11/05

おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ

6
人体のなかでもとりわけ特殊で複雑な構造と役割を担う臓器である脳の疾患は、長らく先天性後天性を含め病態はひと括りにされるものが多く、鎮静と隔離を用いる以外に施しの手段がなかった。そして、どこからが正常でどこからが正常ではないのかの境界線は今もって曖昧なままである。誰もが社会や人との距離に惑いながらどこかを傷つけることに慣れて生きてゆくしかない。脳が理知的な判断を優先できない状態を病とするならば、恋も、思春期も、病といえるのかもしれない。著者の体験に基づく傷痕のように鮮かな文章から、若い痛みが読み起こされる。2016/08/18

かっち

6
この作品がモチーフ?になって映画「17歳のカルテ」となるのですが、映画のインパクトが強くて作品の影が薄いような気がします。映画も本も好きです。2014/07/01

chi.m

6
パラレル・ユニヴァース。こっちからあっちの世界は見えないけれど、向こう側へ行ってしまったらこっちの世界が大きく見えすぎて仕方ない。思春期ってどうしてこうも危ういのだろう。人の心に基準なんてないのに。正常か異常かなんて誰にもわかるはずがないのに。曖昧だからこそ誰もが超えてしまうかもしれない境界線。わたしは二度と超えたくない、と今は強く思う。2012/06/11

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