Dojin選書
パンデミックを阻止せよ!―感染症危機に備える10のケーススタディ

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784759813494
  • NDC分類 493.8
  • Cコード C0347

出版社内容情報

はじめに
第1章 感染症封じ込め 七つのステップ
1.Case, Cluster, Common Characteristics and Case definition??症例、クラスター、共通した症状・徴候、症例定義
いつものパターンと同じか?/ほぼ全員に共通する点は何か?/症例を定義せよ
2.Causative agent??原因となる微生物
既知のエージェントと比較?/未知の感染症かもしれない。どうする?
3.Curve and Center of epidemic, Communicable and Case-fatality rate??流行曲線、感染中心、伝染性、致死率
感染流行曲線??拡大速度は速いか?/最初の患者は?/感染源は?/感染性か?/感染経路は?/ヒト?ヒト感染するか?/致死率は高いか?/自然発生のものか、バイオテロなど人為的なものか?
4.Communication and Countermeasure??コミュニケーションと対策
5.Case-Control and/or Cohort study??ケース・コントロール研究/コホート研究
6.Containment/eradication and Continuing surveillance??封じ込め/撲滅とサーベイランスの継続
天然痘撲滅/サーベイランス
7.Change in ecology??生態系の変化
◆コラム◆One Healthの動き
第2章 感染症の数理モデル
R0(Basic Reproductive Number)/基礎となる感染症数理モデル/偶然の影響/数えてR0を算出/サージ・キャパシティ/発症前感染+不顕性感染(=θ)/カオス
第3章 病原性大腸菌O104??ハンブルグ
第4章 豚インフルエンザ(H1N1)??メキシコシティ
◆コラム◆WHO本部にて
第5章 SARS??広東省
一通の電子メール/香港/ベトナムへの飛び火/ハノイからの警鐘/グローバル・アラート/SARSウイルスの発見/シンガポールへの飛び火/カナダへの飛び火/香港アモイ・ガーデンでのSARS集団発生/SARS流行の終息
◆コラム◆SARS封じ込めに成功したタン・トク・セン病院
第6章 炭疽菌テロ??フロリダ
◆コラム◆G8バイオテロシナリオ演習
第7章 西ナイル熱??ニューヨーク
◆コラム◆蚊の駆除方法??マニラの例
第8章 ニパ脳炎??マレーシア
◆コラム◆イースター島の教訓
第9章 鳥インフルエンザ??香港
最初の症例/鳥インフルエンザ/サーベイランス/コホート研究/ケース・コントロール研究/香港では二人が鳥インフルエンザに罹患し一人が死亡/ベトナムでの発生/タイの家族内感染例/WHOサーベイランス
◆コラム◆
第10章 エイズ??ロサンゼルス
◆コラム◆ニードル・エクスチェンジ
第11章 エボラ出血熱??ザイール
◆コラム◆映画『アウトブレイク』
第12章 スペイン風邪
超過死亡/夏?秋?冬のスペイン風邪/アメリカ四三都市の対応/なぜフィラデルフィアでは超過死亡がもっとも多かったのか?/なぜニューヨークでは超過死亡が比較的少なかったか?/なぜセントルイスでは死亡の二つのピークをもつのか?/日本における四七都道府県の超過死亡率
◆コラム◆ビタミンDのインフルエンザ予防効果
第13章 アウトブレイク対策の批判的吟味
おわりに
引用文献

内容説明

鳥インフルエンザ、ニパ脳炎、西ナイル熱、SARS、パンデミック・インフルエンザ2009など実際に発生したアウトブレイクの事例を検証し感染症危機管理のあり方を考える。

目次

感染症封じ込め七つのステップ
感染症はなぜ拡大するのか―その数理モデル
病原性大腸菌O104―ハンブルグ
豚インフルエンザ(H1N1)―メキシコシティ
SARS―広東省
炭疽菌テロ―フロリダ
西ナイル熱―ニューヨーク
ニパ脳炎―マレーシア
鳥インフルエンザ―香港
エイズ―ロサンゼルス
エボラ出血熱―ザイール
スペイン風邪
アウトブレイク対策の批判的吟味

著者等紹介

浦島充佳[ウラシマミツヨシ]
1986年東京慈恵会医科大学卒業後、附属病院において骨髄移植を中心とした小児がん医療に献身。93年医学博士。94~97年ダナファーバー癌研究所留学。2000年ハーバード大学大学院にて公衆衛生修士取得。2006年より東京慈恵会医科大学准教授。小児科診療、学生教育に勤しむ傍ら、分子疫学研究室室長として研究にも携わる。9.11米国同時多発テロに強い衝撃を受け、医師として大勢の尊い命を守るべく活動するようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ようはん

15
図書館に行った際すぐに目について借りた本。過去に生じた感染症と当時の各国の取り組みが紹介されているが、SARSの項目辺りは現在の新型コロナウィルスの現状とダブって見える箇所も。隔離や学校閉鎖等は終息に有効な手段であるが、一定以上広まると効果ないという話で今現在のコロナウィルスに対するイベント自粛や学校閉鎖の方針は成功となるか気になる所。2020/02/28

えな

10
氏のHPに新型コロナについてのPDFがあり勉強になったので。感染症危機発生時の7ステップ、R0(基本再生算数)などの数理モデルの紹介を経て、過去に実際に発生したSARS, HIV, 豚インフルエンザなど10個のそれぞれについての詳細なケーススタディ。折々に「課題」が出されて、すぐにその答えは書いてあるのだけれど自分なだろうするだろうかと考えながら読み進めるのでかなり頭に入りやすいと思った。SARSにおけるシンガポールの迅速な対応は素晴らしい。そしてCDCや各国と連携していたり、浦島先生すごい人なんだな。2020/02/19

4
新型コロナウィルス対応改訂版2020/08/06

くらーく

3
http://dr-urashima.jp/index.html 著者のサイト。3月後半から更新されていないところを見ると、今回の新型コロナで、お忙しいのでしょうなぁ。医療関係者にはただただ感謝です。 このところ読んだ感染症関係の本では、本書がピカ一です。これだけで良いし、再読すると思います。 特に第2章の数理モデルを読んでおくと、西浦教授の記者会見等の理解が出来ます。まあ、ちょっと外れたところもあるようだけど。 いずれにせよ、感染症対策は早期に厳しく実施し、徐々に緩和していく。原則徹底ですな。2020/05/23

coldsurgeon

3
感染症危機管理を、わかりやすく、科学的に解説している。そして、読みやすい。SARS、新型インフルエンザ、エボラ、等々、最近のアウトブレイクは、その初期の段階で医療従事者が感染拡大に関与してしまっている事実もわかる。もっと、様々な危機に感度を高める必要があると感じた。2014/11/30

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