ユキの日記 - 病める少女の20年

ユキの日記 - 病める少女の20年

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 331p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622023159
  • NDC分類 916

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

11
8歳から12年間書き続けた少女の日記。あらゆることから不安に苛まれ、平安を得るために「自分を放り出してしまった」ユキ。その結果、自分自身が不安そのものになったという。結果、統合失調症となり、入退院を繰り返した末、28歳で死去。辛い人生であったが、この内省を後世に残した価値は大きい。2019/05/06

ぶにゃ

1
「雨の水たまりに広がる輪を見ながら何を私は考えたか? 忘却に、人々の忘却に私はふさわしいと。」――幼い頃から 喘息という辛い病に苦しみつづける少女の夢は、大きくなったら本を書くことだった。そして彼女はたくさん書物を読み、たくさん日記を書きつづけた。たくさん悲しみ、たくさん泣きつづけた。やがて少女は二十歳になる。彼女のこころは、だれびとも触れることのできない沈黙の世界に行ってしまった。「私の心はまっかです。血がしたたりおちています」――その血で書かれたユキの日記。読む者は黙り込むだろう。そして、涙するのだ。2021/08/15

@25

1
身体と心を病んだ一人の少女の日記。高野悦子『二十歳の原点』と同じものを感じるが、彼女は自殺でなく心不全のために亡くなっている。自他に対する洞察が繊細な筆致で描かれており、10代半ばの頃から年不相応な知性と文才を発揮していた。母との分かり合えなさに大層心を痛めていたようで、その部分に最もページを割いている。これだけ内部に深く潜り込んだ日記を書き続けておいて、自己破壊願望を抱かなかった彼女には、やはり一種の強さや特殊性を感じずにはいられない。2020/12/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/633929
  • ご注意事項