- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 浮世絵・絵巻・日本画
出版社内容情報
又兵衛を知らずして、日本美術を語るなかれ! 「浮世絵の元祖」とも呼ばれる岩佐又兵衛の魅力を徹底解剖する。
《目次》
◎対談 辻惟雄×佐藤康宏 早すぎた浮世絵師、岩佐又兵衛を語る
◎第1章 絵巻に描いた恋と復讐
(「山中常盤」「上瑠璃」「堀江」「小栗判官」の四大絵巻をたっぷり紹介)
◎第2章 王朝物語の洗練
(「源氏物語」「伊勢物語」「歌仙画」など、古典を描いた又兵衛の得意ジャンル)
◎第3章 大和絵に通じ、漢画を巧みにする
(代表作「旧金谷屏風」を中心に、和漢の技法を操る円熟期の作品の数々)
◎第4章 浮世を描く
(浮世絵のルーツと考えられ、後世に多大な影響を与えた「洛中洛外図屏風」など、又兵衛評価を決定的にした作品がずらり)
◎第5章 岩佐派の系譜
(一時代を築いた岩佐派の作品群を改めて検討する)
別冊太陽編集部[ベッサツタイヨウヘンシュウブ]
編集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆか
19
奇想の系譜展の復習として読みました。私が岩佐又兵衛を好きなのは、彼が居場所をここしかないと決めて絵に魂を込めているような気がするからです。村重の子として生き残り武士から絵師として生きるしかなかった又兵衛。驚くほどの細密ぶりは、勝手な解釈なのですが、殺された人への鎮魂、写経のようでもあり、絵師として生きていく決意のあらわれにも感じられます。本文より「松平忠直も実際にはそこまでひどい人ではなかったというのが史実らしいですが、彼には彼なりの屈折があったと思いますし、又兵衛は武士階級からドロップアウトした絵描き→2019/04/11
umeko
10
又兵衛の画業を俯瞰したくて手に取った。クドさが妙にクセになり、すっかり見いてしまった。2018/12/10
うしうし
4
2017年刊。岩佐又兵衛に関する近年の研究が網羅的に取り上げられており、又兵衛作品はもちろん、子どもの勝重や孫の陽雲など、根拠となる作品・資料のほぼすべてがカラーで収録されている。(『豊国祭礼図屏風』のみが、若干解像度が悪いので少し残念。)一般の愛好者が入手し得る文献としては、本書が最も優れた図説であり、入門書であるような印象をうけた。2020/08/23
ロックイ
3
恥ずかしながら不勉強故、全く知らなかった方ですが凄い人でした。同時代の俵屋宗達や狩野派の面々は耳にしたことがあったのに、浮世絵の開祖と呼ばれるこの方を知らなかったとは。表紙に描かれているインパクトある血飛沫の禍々しさに目を釘付けにされ、恐々ページを繰っていたら、P94-95 の和漢故事説話図『布袋と寿老の酒宴』のおとぼけた姿にほっこりさせてくれる絵が現れ、心底癒されました。荒木村重の息子らしいのですが、武家から絵師になった詳しい経緯は分かっておらず、今後の研究に注目していきたいと思いながら読了です。2017/03/09
ひ※ろ
1
★★★☆☆2017/05/07