内容説明
デザインはものづくりの重要な契機とされる反面、ともすると浪費をすすめる単なる手段となりかねない。今日のデザインをめぐるさまざまな解釈に一つの道筋を与えるのが本書。デザインの歴史を、近代における技術、経済、社会の変化に対応して営む近代生活の反映と捕らえ、表現の背後を考察する。
目次
1 デザイン史を理解するために
2 近代デザインの鼓動
3 デザインの実験と総合
4 アメリカのインダストリアル・デザイン
5 現代のデザイン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sasara
23
ブックオフで購入も長らく積読本。 産業革命で粗悪工業製品が大量生産に反発した1880年頃のアーツアンドクラフト運動がデザインの始まりらしい。 元はデッサンと同じ語源らしい。万博、アールヌーヴォー、アールデコ、バウハウス、シカゴ派、北欧デザイン、ポストモダンへ。アートは問題提起でデザインは問題解決なのかを考えてみたがよく分からなかった(泣)2021/04/27
入江
18
バウハウスやディーター・ラムス目当てで購入。デザインの教科書的な存在です。どのページの写真も国宝級なので、つい読んでしまいます。ただ解説というより、年表に毛が生えたていどの紹介ですが。入り口としては楽しめました。2020/12/19
Aya
10
【蔵書】ただいまデザイン史を勉強しているので熟読中。世界という大きな舞台で活躍した人物やその作品、出来事がありすぎて、なかなかすべてを理解するのが難しい…。デザイン史と美術史を混同して考えていた初心者の私でもわかりやすいもっと易しい文章だととても嬉しかったです…。アーツアンドクラフツ運動、アールヌーボー、バウハウス、アールデコ…時代の荒波に揉まれながらも懸命に先人たちが築いてきたデザインの歴史。その経緯を知ることでデザインの未来をよりよきものへ変えていけるのではないかと感じました。2015/08/13
ヴァン
7
一枚ものの油彩絵画とは異なって、印刷技術の発達によって大量に図版が複写されることが商業美術の誕生を促した。また、手作りの民芸品ではなく機械生産による生活雑貨の造形が生活のなかに美的なものを産み出した。私たちの暮らしの中に溢れるデザインの発祥から現代に至る歴史をカラー図版で振り返る一冊である。2020/09/22
の
3
近現代のデザインを社会的事情を合わせて解説したもの。時代を追って説明されており、写真も多く使われているので流し読みでも「デザイン史」の大まかな流れをつかむことができる。大量生産の時代が故に情報量も多いので一気に読み解くのは難しいが、辞書のように作品と照らし合わせながら読んで行くのが良いのかも。2012/03/21