内容説明
「なぜ私は論文を書くのか」。書くことの意味を考えれば、そのプロセスも見えてきます。対話によって「私」に切りこみ、対話のうちに「私」をひらく。ここから、あなた自身の研究活動が始まります。
目次
第1章 デザインの枠組み(論文は対話活動である;「私」はどこにいるのか―それぞれの専門、それぞれの分野;何をめざして書けばいいのか)
第2章 テーマを発見する(テーマはどのようにして決めるのか;情報から自由になるために;問題関心から問題意識へ)
第3章 具体例を示す(テーマから具体例へ;証拠を出す習慣;具体例の実際)
第4章 主張を展開する(主張の宛て先、対話の相手;結論とは何か―論文執筆のプロセスと構成;論理と責任)
第5章 相手とのルールづくり―推敲と執筆の手引き(推敲という作業;執筆要領とそのルール;仕事・生活と研究を結ぶために)
著者等紹介
細川英雄[ホソカワヒデオ]
1949年東京生。早稲田大学第一文学部卒。同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得。博士(教育学)。現在、早稲田大学大学院日本語教育研究科教授。信州大学・金沢大学・早稲田大学日本語研究教育センターを経て、現職。NPO法人言語文化教育研究所代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(haro-n)
14
研究者でなくても、自分の考えを文章にしたいと思っている人にも得ることが多い本。今の自分には前半が特に響いた。自分の中のモヤモヤを「書くこと」と「考えること」との往還を通して明確化する。そして、書いたものを他人に見せ反応を得るというコミュニケーションを通して自分を変容する。これらの過程を経て論文を執筆し自分の研究を確立する重要性がのべられていた。後半は論文の内容に踏み込んだ記述。研究とは、自分を知り新しい自分を切り拓きデザインしていく作業なのだと理解した。私もこの本を支えにしていくと思う。付箋が沢山付いた!2017/06/02
1040
2
「なぜ自分は論文を書くのか?」この疑問に対する答えは、ただ自分の心の中をのぞいても見つかるわけでない。それは他者との対話の中で磨かれ、執筆者も驚くような答えが産みだされ始めることもある。そして、それは「自分の言葉をとりもどす作業」でもある。この本は、自分がこれまで考えてきたこと、迷ってきたことを言語化する手掛かりを与えてくれるものでした。これも、この著者と僕の対話から生み出されたものなのだろうね。この著者の考え方はとても共感でき、好感がもてる。座右の書となる予感がする。薄い本なのに凄い。2010/10/10
中澤武
1
論文執筆とは、自己変容のための装置である。この一言が、心に響いた。そうか!と思った。いままでモヤモヤとしていたものが一気に晴れた感じがする。論文を書くのは、自由になるためだったのだ! 2015/01/03
真のなすだすん
1
Ⅴ章が難しい。再読必至。2014/03/14