青の歴史

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  • サイズ A5判/ページ数 249p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480857811
  • NDC分類 702.3
  • Cコード C0022

内容説明

ギリシャ・ローマの人々にとって、青は不快な野蛮の色だった。現代では、青は、最も好まれる色として勝利を収めている。フランスの紋章学の鬼才・パストゥローが、古代社会から現代にいたる青の“逆転の歴史”を、聖母崇拝と青、フランス王家の紋章への青の採用、宗教改革以後の倫理規範と青、さらにはジーンズと青など、西洋史のなかの興味深いエピソードとともに鮮烈に描き出す。

目次

第1章 控えめな色―起源から十二世紀まで(白とそれに対立する二色;青く染める―タイセイとインジゴ ほか)
第2章 新しい色―十一‐十四世紀(聖母の役割;紋章の証言 ほか)
第3章 道徳的な色―十五‐十七世紀(奢侈法と服飾規則;規定された色と禁じられた色 ほか)
第4章 お気に入りの色―十八‐二十世紀(青対青―青色染料(パステル)とインジゴの闘い
新しい顔料―プルシアン・ブルー ほか)

著者等紹介

パストゥロー,ミシェル[パストゥロー,ミシェル][Pastoureau,Michel]
1947年生まれ、古文書学校卒、高等実習研究院第四部門教授。紋章学、色彩・動植物の歴史人類学専攻

松村恵理[マツムラエリ]
1962年生まれ、学習院大学大学院博士前期課程修了、ジャポニスム・近代装飾美術史専攻。主要著書『壁紙のジャポニスム』(思文閣出版、ジャポニスム学会賞受賞)

松村剛[マツムラタケシ]
1960年生まれ、東京大学大学院助教授、中世フランス文献学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kasim

35
西洋での青の躍進を分析する。受容する文化がなければ色も存在しないに等しい。あれほどの空と海を持ちながら、ギリシア・ローマ人には空と海は白か緑。まず光とその欠如、つまり白と黒がある。色といえば赤。世界共通のその三色主義から12世紀に青が現れる。まず聖母の色として、そして新教が登場した後は旧教的で派手な赤と違い「正しい」色として黒とともに主流に。光学の発展も青を認知させ、今では欧米人の一番好きな色。文化構築主義の力を感じさせる魅力的な一冊だ。2021/04/13

ヒロセ

3
やっと読み終わりました。波に乗れば一気に読めるはず。だって面白いもん。笑 著者はフランス人なので、やはりフランス(ヨーロッパ)中心における青の歴史について社会学的な視点から青の歴史を語られています。最後に日本における色彩についても軽く触れられていましたが、やはり多種多様な色彩名を語るのに語彙が追いつかないそう。やはりそうなのね。日本における青の歴史についても知りたくなりました。2010/09/12

takao

2
ふむ2023/02/05

不以

2
欧州において蛮族と死者の象徴として忌まれていた青が、自由とロマンと誠実の象徴として表舞台に出てくるまでの話。青=野蛮も驚きのポイントだったけど。何より意外だと思ったのは、歴史上の長い間、青が暖色で黄が寒色だったとということ。暖色寒色ってわりと全人類共通イメージだと思い込んでたけど、そうでもないんだなあ。寒暖と色相環で綺麗に分かれてるから冷静に考えれば近代の創始というのは納得。空の青は熱と光、地の黄は冷と暗というのはわからなくもないか……。もしかしたら青春の青も暖かさのイメージあるのかな実は。混乱する。2015/09/11

鏡裕之

2
ロイヤルブルー。青は高貴を表す色である。だが、実は中世の途中までは、青は高貴な色とされていなかった……という、青色をめぐる歴史を書いた一冊。青色の歴史を見るだけでも、違った色で世界を見られるようになります。

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