内容説明
本書は、現代スポーツが投げ掛けるさまざまな難問に、「感情論」や「損得勘定論」ではなく、倫理的な立場から誠実に応答し、読者に難問を解くための指針を提供しようとした共同レポートです。現代スポーツの病理を冷静に見きわめ、スポーツの変革を促すために、対症療法ではなく、根本的な治療方針を処方箋として書くように努めました。「エピローグ」の空想座談会は、嘉納治五郎、クーベルタン、岡部平太、人見絹枝なら現代スポーツの難問にどのように応答するのかを想定して、彼らの文献を調べあげて書いたものです。
目次
第1章 スポーツと社会の倫理学
第2章 競争と公正の倫理学
第3章 個人と自律の倫理学
第4章 弱者と強者の倫理学
第5章 スポーツと暴力の倫理学
第6章 勝者と敗者の倫理学
第7章 スポーツと公共の倫理学