四国遍路の近現代―「モダン遍路」から「癒しの旅」まで

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784422250410
  • NDC分類 186.9
  • Cコード C0021

出版社内容情報

【内容紹介】
日本人の心の原風景を訪ねる四国遍路は、今や全国的なブームともなっているが、明治以降、大きな変貌を遂げてきたことはあまり知られていない。新聞というマス・メディアの登場、昭和初期の国内旅行ブーム、戦時中の総力戦体制、戦後の観光産業の興隆、文化財行政の変化などは四国遍路をどのように変容させてきたのか。多くの図版をまじえながら、時代の波に絶えず飲み込まれてきた四国遍路の百年を見つめ直す。
 
【詳細目次】
はじまりに
第一章 「ハイカラ」から「モダン遍路」へ 
1 大阪毎日新聞社による「遍路競争」
2 四国遍路と「めぐる」行為
3 「モダン」の中に生まれつく

第二章「空前絶後!」の四国八十八ケ所霊場出開帳
1 南海電鉄会社開業五十周年事業と四国遍路
2 「四国八十八ヶ所霊場出開帳奉賛会」の活動
3 宗教性とイベントのはざまで

第三章 弘法大師と日本文化
1 弘法大師一一〇〇年御遠忌について
2 弘法大師文化宣揚会の設立
3 展覧会と観衆の多様性

第四章 遍路同行会と大戦下の四国遍路
1 「遍路同行会」の設立
2 最終目標、四国遍路とす
3 歩け、歩け、歩け

第五章 戦後における四国遍路の商品化
1 一九六〇年頃までの四国遍路
2 バスツアーの成立と巡礼の変容
3 ディスカバー・シコクヘンロ
4 八〇年代末、ホストとしての霊場会へ

第六章 文化財としての四国遍路
1 四国遍路の文化的価値
2 地域の資源と四国遍路
3 聖地の誕生
4 四国遍路の奇習「イヤダニマイリ」

第七章 国家事業としての遍路道生産
1 消えた遍路道
2 遍路道と長距離自然歩道
3 「四国のみち」への道
4 遍路道を創りなおせ

第八章 九〇年代半ば以降、四国遍路の諸相
1 NHK番組の中の四国遍路
2 『四国八十八か所こころの旅』ブーム
3 「癒し」「自分探し」と四国遍路の創造/想像
4 そして世界遺産となる、のか

あとがき

内容説明

ハイカラ姿の記者による巡礼競争、信仰のハイキング阿波霊場巡り、戦勝祈願のための四国遍路、バスツアーと癒しの旅…この100年で大きな変貌を遂げた四国遍路の種々相。

目次

第1章 「ハイカラ」から「モダン遍路」へ
第2章 「空前絶後!」の四国八十八ヶ所霊場出開帳
第3章 弘法大師と日本文化
第4章 遍路同行会と大戦下の四国遍路
第5章 戦後における四国遍路の商品化
第6章 文化財としての四国遍路
第7章 国家事業としての遍路道生産
第8章 九〇年代半ば以降、四国遍路の諸相

著者等紹介

森正人[モリマサト]
1975年、香川県高松市生まれ。1994年、香川県立高松西高等学校卒業。1998年、関西学院大学文学部史学科(地理学専修)卒業、2003年、関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(地理学)。専攻は文化地理学。三重大学人文学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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志村真幸

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 著者は文化人類学の研究者。  明治から現代までの四国遍路について、その実態を改めて明らかにすることで、従来のイメージの修正をはかったもの。  第二次大戦下に現在のような遍路イメージがつくりだされたこと、バス遍路と歩き遍路の年代的関係など、刺激的な話題が多く、興味深い。  ガイドブック、出開帳の記録、バスツアーのコースや参加者、テレビ番組など、さまざまな資料から、各時代の実大河描き出されており、信頼できる。  ただ、全体に資料的制約は感じる。また、もう少し明確に結論を示してくれてもという気はした。 2019/01/14

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