現代哲学への招待
進化論の射程―生物学の哲学入門

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  • サイズ B6判/ページ数 446,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323182
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C0010

内容説明

進化論誕生から150年、いまだ巻き起こる激しい論争や対立に哲学が冷徹なメスを入れる。なぜ神が生物を創造したのではなく進化なのか。人の行動を決めるのは遺伝か環境か。利他性は進化で説明できるか。自然選択の単位は個体か集団か遺伝子か。生命科学が物理科学に代わって科学の主役に躍り出るに伴い、現代哲学の花形となりつつある「生物学の哲学」の成果。

目次

第1章 進化論とは何か
第2章 創造論
第3章 適応度
第4章 選択の単位の問題
第5章 適応主義
第6章 体系学
第7章 社会生物学と進化理論の拡張

著者等紹介

ソーバー,エリオット[ソーバー,エリオット][Sober,Elliott]
1948年生まれ。1969年ペンシルベニア大学卒業。1970年、同大学大学院修士課程修了(M.S.Ed.)。ケンブリッジ大学の研究生を経て、1974年、ハーバード大学でPh.D.を取得。同年よりウィスコンシン大学哲学科で教鞭を執り、1984年に同大学教授となって現在に至る。その間、スタンフォード大学教授やロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの客員教授、アメリカ科学哲学会会長などを務める。生物学の哲学の第一人者

松本俊吉[マツモトシュンキチ]
1963年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程中退。現在、東海大学総合教育センター教授。専門は科学哲学、特に生物学の哲学

網谷祐一[アミタニユウイチ]
1972年生まれ。ブリティッシュ・コロンビア大学大学院在籍中。専門は科学哲学、生物学の哲学

森元良太[モリモトリョウタ]
1975年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、慶應義塾大学ほか非常勤講師、日本学術振興会特別研究員。専門は生物学の哲学、確率論の哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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iwri

2
進化論を扱う科学哲学。創造論、自然選択、適応、体系学、社会生物学まで進化論に関連する問題について、主要な立場とその言説の妥当性を科学哲学的に検討する。科学哲学というと、一般的に物理学を科学のモデルにしたものが多いが、生物学モデルという点が新鮮だった。馴染みの科学哲学的な道具立ての他に、統計や確率に基づく理論について語られている点が面白かった。著者は、ある主張(命題)とそれを主張する人びととを区別し、科学的に検討されるのは命題であることを強調するが、これは科学哲学に限らずもっともなことだと思う。2012/01/27

mtboru

1
生物学の哲学にあまり触れてこなかったので、ここまで整理された議論をちゃんと勉強したのは初めてで、とても勉強になった。原著が古い(2000年)ので、最近の生物学の哲学の知識を学びたい。 個別トピックとして興味深かったのはグループ淘汰のところだが、包括的適応度との関係がいまいち理解しにくかった。適応度のところは哲学らしい議論が展開されていて、トートロジー批判への反論などは参考になった。2022/08/17

∃.狂茶党

0
射程とあるように、これは可能性について検討した本。 厳密な検討をこころがけてるので、 いわゆるID仮説も、全面否定はしていない。2015/01/24

関 峻之介

0
心は単に、生物学的選択にとって有利な行動を生み出す装置ではない。それは、適応度と継承可能性に関するその独自の尺度によって規定されるような、独自の選択過程の基礎である。すなわち自然選択によって、自然選択のくびきを離れた独立の選択過程が生み出されたのである。 (p.423)2014/11/03

0
著者は確率や統計が好きなんだろうなと思った。利他性のところで、遺伝子の単位の話が出てきた。社会性昆虫の不妊のワーカーは自分で子供を産むより甥や姪にあたる子供を育てたほうが遺伝子の共有率が高いという話は出てこなかった。重要じゃないから紙幅割かなかっただけだろうけど、あれっその話しないのって思う自分は、鳥ではないけど昔読んだ『利己的な遺伝子』が刷り込まれてるなと思った。収斂進化についても(この本ではホモプラシーだけど)触れ方があっさりしてるなーと感じたのはドーキンスを読んだあとだったからに違いない2012/04/28

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