入門・医療倫理〈１〉

赤林 朗【編】

勁草書房（2005/10発売）

• サイズ A5判／ページ数 360p／高さ 21cm
• 商品コード 9784326101573
• NDC分類 490.15
• Cコード C3012

出版社内容情報

倫理と法の二つの軸をもって医療倫理の諸問題を考える。現時点で最も標準的、体系的な教科書。

本書は、倫理と並んで法を同じレベルの重要な要素と考えている。実践の場面では、法的側面の検討なくしていかなる判断も実際的なものになりえない。従来の医療倫理が座学の域を脱しえなかった弱点を、本書はこうして乗りこえようとしている。

関連書：浅井篤ほか　『医療倫理』　(小社刊)


はじめに（赤林朗）

【第一部　基礎編】

Ⅰ　倫理学の基礎理論

第1章　倫理学の基礎……児玉聡
第2章　倫理理論……奈良雅俊
第3章　医療倫理の四原則……水野俊誠
第4章　その他の倫理理論……堂囿俊彦

Ⅱ　法と医療倫理の基本概念

第5章　法の基礎……稲葉一人
第6章　医療行為と法……前田正一
第7章　医療従事者・患者関係……額賀淑郎
第8章　インフォームド・コンセント……前田正一
第9章　インフォームド・コンセント2……水野俊誠
第10章　守秘義務と個人情報保護……稲葉一人・奈良雅俊

【第二部　各論】

第11章　生殖医療……奈良雅俊・堂囿俊彦
第12章　新遺伝学……額賀淑郎
第13章　クローニング……堂囿俊彦
第14章　終末期医療……水野俊誠・前田正一
第15章　脳死と臓器移植……児玉聡
第16章　医療資源の配分……児玉聡
第17章　医療事故と法……前田正一
第18章　研究倫理……額賀淑郎・赤林朗

おわりに（赤林朗）

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執筆者紹介

内容説明

倫理と法の二つの軸をもって医療倫理の諸問題を考える。現時点で最も標準的、体系的な教科書。

目次

第１部　基礎編（倫理学の基礎理論；法と医療倫理の基本概念）
第２部　各論（生殖医療；新遺伝学；クローニング；終末期医療　ほか）

著者等紹介

赤林朗［アカバヤシアキラ］
１９５８年生。１９９０年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。東京大学大学院医学系研究科・教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[あんり]

わかりやすくまとめてあってすぐに読めた。

2018/05/05

[たろーたん]

そもそも、倫理学が扱う倫理理論とは何か。倫理理論は、「問題の同定」「道徳的正当化」「直観の再検討」の三つの作業を上手く進める手助けのための道具である。何が問題なのかを整理し、決断する時の正当な理由を与えるのだ。そして、直観が本当に正しいかも常に再検討を強いる。決断または留保し考えるための道具なのだ。そして、倫理的判断には最低限の条件として事実価値の区別、一貫性、公平な視点が求められる。

2023/09/29

[クァボチャ]

倫理学は「当たり前（常識）の事を言っているだけではないか？」と思ってしまいがちでどうしても身が入らなかったが、講義で扱っているこの本を半年かけて読み込んでみたら倫理学に対する見方が変わった。特にこれは生命倫理学なので、脳死や代理母出産を始めとする最近話題の問題から常識中の常識と思えるような患者の個人情報の扱い方まで、過去に起きた事件や争いの意外な裁判判決を見ると、わざと学問のために意外な判例ばかりを載せてるとはいえ実際に有り得た判決なのだからもっと倫理に焦点を当てて勉強しなければならないなぁと思った。

2015/10/08

[こずえ]

医療倫理としてこのシリーズ３冊で網羅的に書いてある。 類書では過不足があるためこれはおすすめ。 医学生でなくとも、生命倫理に興味ある哲学系の人にも読めるかと思う。

[Schuhschnabel]

つい最近専門課程に入ったばかりで、生命倫理に興味があるとはいってもその全体像は把握できていないため、この分野の道案内として読んだ。倫理学的な考え方、法律的な問題、そして具体的な問題群という３つのパートに分かれている。それぞれの章が読み切りなので、ちょっとわからなかったり、あるいは首肯しがたかったりといったところがあってもサクサク読み進めていけるのが良かった。個人的には、最初のパートの「パターナリズム」と「尊厳」についての議論をもう少し深く知りたいと思った。

2016/11/01