出版社内容情報
すべてのものは一つの「いのち」を共有するという真言密教の壮大な思想を、現代的視点からわかりやすく解き明かす。
内容説明
科学技術の驚異的な発展によって未曾有の物質的な繁栄を享受しながら、心は満たされていない。どう生きたらいいのかわからない。そのような病める二十一世紀の日本人を癒すにふさわしい弘法大師・空海の活動と思想、真言密教の教えを簡潔に紹介。
目次
１ 空と海（無限と有限；物事の本質を見通す；相互の連関）
２ 光と陰（苦難の道を選ぶ；密教の法を受ける；エネルギッシュな休息）
３ 死と生（死に臨んだとき；社会に働きかける；永遠の定に入る）
４ 除と包（特性を生かす；世界を支配する；共に生きる）
５ 聖と俗（混沌と秩序；教育思想；欲望を満たす）
著者等紹介
松長有慶［マツナガユウケイ］
１９２９（昭和４）年、和歌山県高野山に生まれる。高野山大学密教学科卒。東北大学大学院インド学専攻博士課程修了。文学博士。現在、高野山大学名誉教授、高野山真言宗管長、金剛峯寺第四百十二世座主（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
11
（1999.12） （文庫用あとがき） 第１編 空と海 第１章 無限と有限 ○現実を超える時空 インド、オリッサ州プクーの開眼。ベンガル湾。劫（こう）というとてつもない長い時間。○永遠－空と海。 空海上人。空海上人の入定信仰。現世においても苦しむ人々救済のために働き続けている。大師25人（日本）○大日如来。 大日は太陽ではない。 太陽は夜がある。大日は夜のない太陽である。○始まりと終わり。 仏教は始まりについても、終わりについても語らない。2010/03/09
KAZOO
7
空海についての第一人者による入門書です。入門書とはいうもののなかなか読みごたえがあります。コンパクトのまとめている分、かなり読み手側の事前の知識を必要とするところもあります。引用されている参考文献などを今後は少しづつ読みこんで再度読みたいと思いました。2014/02/19
Yaguchikairi
2
200頁足らずの中に詰め込まれた圧倒的な包容力。温かみに溢れた名著。2012/11/17
コショ
0
栄貴を示して栄貴を導く。有疾を現じて有疾を待つ。病に応じて薬を投ず。迷を悲しんで指南す。師の恵果和尚の徳を讃えた弘法大師碑文性霊集より。こうありたい。2021/02/28
