出版社内容情報
松本 修[マツモト オサム]
著・文・その他
内容説明
大阪はアホ。東京はバカ。境界線はどこ?人気TV番組に寄せられた小さな疑問が全ての発端だった。調査を経るうち、境界という問題を越え、全国のアホ・バカ表現の分布調査という壮大な試みへと発展。各市町村へのローラー作戦、古辞書類の渉猟、そして思索。ホンズナス、ホウケ、ダラ、ダボ…。それらの分布は一体何を意味するのか。知的興奮に満ちた傑作ノンフィクション。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
59
ずいぶん久しぶりの再読。東西で区別したら東の自分だが、結婚相手が西の人だったため以後言葉はもういろいろゴチャゴチャになってる。2013/07/02
読書ニスタ
40
福井敏雄さんが、じえんじえんみえましえーん、と悪天候の上空から叫んでる絵、みたことある気がする。辞世の句を読んでたらしい。あの百田くんが出て来たりと、時代を感じる。バブル前夜ってすごい牧歌的だったなあ。2020/02/18
saga
37
書名とカバー絵に惹かれて購入。「探偵! ナイトスクープ」というTV番組を千葉に在住の自分は知らなかった。前半は番組制作の過程を中心に「アホ・バカ」分布をどうしたら視聴者に楽しんでもらえるかという熱い思いが伝わる筆致。そして後半は、一気に方言周圏論を中心にアカデミックな内容になっていく。それも視聴者を楽しませるがごとく、実に平易な書きぶりだ。それにしても言語学とは何と奥の深いものだろう。一つの言葉の語源を突き止めるには無数にある言語の同心円を辿らなくてはならないのだから。2016/07/18
ドナルド@灯れ松明の火
34
何気なく手にしたが驚愕した。知的好奇心が刺激されまくりで、作者と一緒に知的探訪の旅に出てしまった。単純にバカとアホは東西の違いだと思っていたが。バカの方が古くアホが新しい、東北地方は京の古語が残っていて胸を張るべき、琉球の言葉も中国由来ではなくやはり京の古語だった。「方言周圏論」バカに限らず古語の地域分布は京を中心にした同心円上に見事に位置づけられていて目から鱗感動した。松本さんはTVプロデューサというより立派な研究者・学者であった。一緒に調査していた百田尚樹はこのTV局・番組で力を付けたのだろう。お薦め2014/11/19
たかしくん。
32
家内が大阪出身で、今でも「探偵ナイトスクープ」を毎週見てます。関西ならではのそのノリで、アホとバカの境目を探しているうちに、話は大きくなって、同心円状に拡がりに着目し、また語源探しに漢詩の世界にまで辿り、まさに柳田國男並みの民俗学の本に仕上がってます。キダタロー最高顧問も、さぞかしお慶びだったでしょうか!? (今をときめく「百田君」もいい味出してます。)2014/06/24