集英社新書
フランスの外交力―自主独立の伝統と戦略

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087203103
  • NDC分類 319.35
  • Cコード C0231

内容説明

GDPでは日本の半分に満たないフランスが、国際社会で存在感を保ち、自主独立外交を展開できる秘密はどこにあるのか?欧州の中原に位置する地政学的優位性、アフリカ諸国との密接なつながり、イスラム世界との深い関係、文化・言葉を通じた影響力の確保、国連安保理常任理事国の地位、核保有国としての軍事力…。フランスの切り札は数多い。米国一極化が進み、テロリズムが拡大するなか、多極的世界・文化的多様性を標榜して世界に影響を与え続けるフランス。その実像と国家戦略を、さまざまな具体例を挙げながらわかりやすく論じる。

目次

第1章 歴史上最悪の関係
第2章 イラク問題を巡る確執
第3章 仏米対立の本質
第4章 摩擦の歴史
第5章 付かず離れずの同盟政策
第6章 足場~ヨーロッパ~
第7章 勢力圏~アフリカ~
第8章 文化と言葉~文化のための外交、外交のための文化~
第9章 力~外交の最終的担保としての軍事力~
第10章 自主独立外交

著者等紹介

山田文比古[ヤマダフミヒコ]
1954年福岡県生まれ。1977年フランス・ストラスブール政治学院留学。1980年京都大学法学部卒業後、外務省入省。1981年フランス国立行政学院(ENA)留学。2000年外務省欧亜局西欧第一課長。2002年フランス国際関係研究所(IFRI)客員研究員。2003年より駐フランス公使(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

13
第五共和制下のフランスの外交力を分析した一冊。ドゴールやミッテラン、シラクなどが主要な登場人物。(本書は2005年出版。)英語を土台として成立しているアメリカ中心外交に対し、フランス語で対抗しようとするフランスがいる。国際交流が活発に行われている現代において、一国で世界に影響を与えるのは難しい。旧植民地国に対して影響力を行使しながら、フランス外交は多元的な国際環境を描こうとしている。時系列に論じているというより、政策別に議論を展開し、外交政策を多面的に分析している。2021/01/02

ねこ

2
非常に興味深いフランス外交の詳述でした。フランス外交の近代からの歴史を振り返るとともに、イラク戦争というものを主眼としながらフランスがどう世界と向き合って来たのかが分かりました。個人的にちょいちょい出てくるコラムが面白くて好きでした。2014/09/12

2
思っていた以上に覇権的です。フランス語圏の北アフリカ諸国では宗主国としての影響力を行使し、圧倒的な経済力をもつが政治的にハンディがあるドイツを抱き込み欧州での覇権を築き、軍事産業に力を入れて、米国やロシアとも色合いの異なる第三の立ち位置を確保。日本に居ると米国、ロシア、中国などの文字通りの大国に関する情報は良く入るけれど、ちょっと盲点でした。国際政治って本当に微妙なバランスの上に構築されているのだな、と改めて思いました。2014/04/27

ginkan2

1
15年ぶりの再読。第二次世界大戦でドイツに屈し、米英から解放してもらったという屈辱と負い目。このためにヨーロッパとアフリカを足場と定め、それをテコに自主独立外交を進めてきたんですね。何も自分で決められなかった過去と決別し、自国のことを自国で決められるように、冷徹に外交を進めてきた意志を感じました。 「同盟すれども同調せず」ですね。2020/05/15

水無月十六(ニール・フィレル)

1
フランスの外交手腕を紐解く本。フランスはなぜアメリカにノーといえるのか。カードの切り方がうまいのか。読み進めていると、フランス外交の強さと同時にフランス外交の問題点も見えてくる。日本に今必要なのは同調することのない同盟を組める外交力ではなかろうか。2014/10/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/69680
  • ご注意事項