集英社新書<br> 匂いのエロティシズム

集英社新書
匂いのエロティシズム

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087201291
  • NDC分類 382
  • Cコード C0245

内容説明

視覚、聴覚、味覚などに比べて、嗅覚については、論じられたり、教育されたりする機会はきわめて少ない。とりわけ近年、無臭であることが是とされて、消臭グッズが売れている…。こうした現象の背景にある匂いの抑圧と、本能の抑圧・性の抑圧とのつながりを探ると、意外にも匂いと性のただならぬ関係が浮かび上がり、人間特有の性の謎が見えてくる。本書では、媚薬、フェロモンからブルセラ、ボンデージ、果ては人類の性進化までをも「匂い」を軸に縦横に論じていき、本能から解き放たれた「人間的」な性―エロスに訴える匂いとしての「エロモン」仮説を提議する。

目次

序章 異性のにおい
第1章 媚薬と香り
第2章 エロスの進化論
第3章 フェロモンからエロスへ
第4章 鼻とセックス
第5章 匂いに感じる人々
終章 匂いのエロティシズム

著者等紹介

鈴木隆[スズキタカシ]
1961年、東京生まれ。85年、早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。高砂香料工業株式会社入社。86~90年高砂香料ヨーロッパ研究所勤務。パフューマー(調香師)としてのトレーニングと実務経験を経て、2000年からTAKASAGO USA勤務
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

13
なぜだらう。ほんのり変態臭が漂うんだけどこの本(笑) 「……剃り上げられてツルツルの、柔らかく温かそうな腋の下の見た目がエロティックにも感じられるのだが……」(p.79)だの「……人々は性交の濡れ場には匂いが充満することも知っていたし……」(p.102)だの。な、なんだぁ……? 文章のあっちゃこっちゃがむずがゆい。「そんな書き方するなよ~、んなこと取り上げて書くなよ~(ムヒー)」みたいな。すごーくマジメにむっつりというかね。知識として非常に面白い箇所も多いのよ。麝香、龍涎香の記述なんて惹きつけられたもの。2018/01/15

ハパナ

5
色即是臭、臭即是色。調香で使われる材料で、動物由来の匂いが4つしかないのに驚きです。仕事関係とはいえ自身のフェチズムをフルに余すこと無くオープンできる、そんな筆者に畏敬すら覚えました。2016/07/16

革命

4
序文でわかる。変態が高じて、アホを通り越して、すごいと言わしめる存在がこの著者である。きわめて真面目に匂いとエロティシズムを語る点と類書が見られない点で高評価です。2015/11/28

朝野まど

4
香りの残酷さをひし、と感ずることがあったのでふと手にとってみた。麝香、龍涎香、霊猫香、と美しい表記の文字が並ぶ香りの世界。想像力さえ伴えば、脳の中で歌を再生し、景色を想起して眺めることもできる。しかしながら、香りだけは再生不可能なのである。記憶に残るのは「あのような香りがあったな」と文字として記号化されたイメージだけであり、生の香りを想起することはできない。だからこそ、酷なのだ。どれほどに蝶を捜し求めたとしても、彼は既に脳内の想像の世界からは逃げ出していて、私は彼の抜け殻のさなぎを見ることしか叶わない。2012/06/09

ピリカ・ラザンギ

3
筆者は科学者ではなく、調香師なので、基本的に筆者の展開する説は事実を組み立てただけ。しかし、その引用は科学から古代宗教、小説まで凡そ匂いに関するトピックスを網羅的で、筆者には好感が持てる(そして変態だと思う)。香水の中身についてからフェロモンや匂いが人間の性に与えるものとは?について。今は鋤鼻器官については神経が消滅するのであまり関係無いと考えられているようだ。また、フェロモン香水ではないが、萌え香水というジョークグッズで女子高生の匂い等をイメージしたものが売っているが、これを筆者はどう考えるか?2017/04/09

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