内容説明
不要な薬を整理し、心の回復力をつける。回復を妨げる心理から治療法の見直し方まで長引くうつ病から抜ける方法を徹底解説!
目次
ケース集 つらく苦しい日々から抜けられた(Aさんのケース―二〇年以上も寝たり起きたりの生活だった;Bさんのケース―双極性障害という診断に希望を失って ほか)
第1章 何年も何十年も治らない理由(従来のうつ病―うつ病は本来治る病気のはずだった;近年のうつ病―うつ病から回復しない人が増えている ほか)
第2章 絶望はどこからくるか(視点―患者さんの心理状態をとらえ直す;心のエネルギー1―心のエネルギーはあるのに出せない ほか)
第3章 効果のない薬を整理する(長期投与―精神科で処方される薬は脳に作用する;多剤投与―なぜ多くの薬が処方されるようになったのか ほか)
第4章 心の回復力をつける(回復の目標―回復力をつけて「心の健康」を得る;回復のプロセス―まず気分を軽快させていく ほか)
著者等紹介
田島治[タジマオサム]
杏林大学医学部精神科助教授、同大学保健学部教授を経て、はるの・こころみクリニック院長、杏林大学名誉教授。うつ病、不安症の診療では、長期化した患者さんへの減薬・断薬を視野に入れた「引く治療」をおこなう。クリニックでの診療のほか、専門家向けに薬物療法に関する講演もおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コージー
26
★★★★★なかなか治らない難治性うつ病の原因とその治療法などが紹介。「うつ病は、決して治らない病気ではないし、進行する病気ではない。じつは飲んでいる薬や長期の療養生活のせいである」と、著者はいいます。引きこもり薬だけが増えていく、一日のほとんどを寝ている生活が続いている、そんな方は、ぜひ手に取ってみてくだい。【印象的な言葉】①向精神薬は、単剤でも人格が変わるほどの効き目を現します。②一錠でも昼間飲む一杯のビールより影響があるといわれるほどです。③睡眠薬と抗不安薬を合わせて3剤までです。2019/08/30
猫路(ねころ)
5
うーん、うつ病でも元気が欠乏している訳ではなく…。とりあえずうつ病でも休みすぎず、少しずつでいいから活動してほしい。2022/07/11
BMI-22
4
体は休んでも脳が休んでない状態では、療養になっていない。回復が遅れる。●抗うつ薬は、抗うつ病薬ではない。症状に効くだけ。●医療のエビデンスは単剤。多剤が効くエビデンスはない。●薬で将来を抑えているのは、偏ったままバランスがとれている天秤のような状態。2019/08/11
クロモジ
3
身近に増えてきたので読んでみた。以前、一生薬を飲み続けなければならないと聞いていたので疑問に思っていた。もっと長い印象だったが、「うつ病は本来、数ヵ月で治る病気」に驚いた。わかりやすく希望が持てる本。2020/09/22
チトミル
3
鬱病と双極性の違いや事例などが分かりやすく書いてあり、身近にそういう方がいるときに知るのに調度良い本だと思いました。