講談社学術文庫
「魔」の世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596245
  • NDC分類 388.04
  • Cコード C0139

内容説明

人間が人間となって以来、自らの想像力によって生み続けた闇の住人―「魔」たち。ギルガメッシュ、メドゥーサ、サタンから鬼子母神、龍、座敷童子まで。浩瀚な文献渉猟と精力的な現地調査により、古今東西を跳梁する膨大な超自然的存在たちがここに集められた。その風貌、性格、能力を通し、彼らを生んだ風土、社会、民族の差異を浮き彫りにする。

目次

ナッツ(精霊)の国で
魔の創始、魔の定義
化生のものの運命
エジプトのヘビ、中国のトラ
蛇=龍族の威勢
龍の階層化と発展形
怪鳥怪魚
自然現象の魔化
陰怪、陽怪〔ほか〕

著者等紹介

那谷敏郎[ナタトシロウ]
1923年、金沢市生まれ。東亜同文書院大学卒業。朝日新聞出版局編集委員を経て、名古屋商科大学、光陵女子短期大学講師(比較文化史)をつとめた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5
東西の魔(所謂堕ちた神々、あるいは元からのもの、擬人化された自然など)に触れつつ、同時にその周辺文化のことにも言及してくれているので読みやすい。特にイスラム文化圏の言及はあまり読んだことがなかったのでありがたかった。日本の妖怪談義は詳しい書籍が他にもたくさんあるので、特定分野が分かっているならそちらを当たった方がいいかもしれません。魔を語る際に現地の物語を一部紹介してくれるのはよかったですね。どんな風に語り継がれているのか分かるので。2011/07/06

和沙

3
ヨーロッパから中東・中国・日本の魔について解説。地獄など異界についても言及されています。ただ、天狗の項に「鼻高天狗が出て、のち烏天狗などが出た」という趣旨の説明がありますが、これは違うと思います。中世の絵巻物を見れば、烏天狗の方が圧倒的に多いです。2010/03/17

Mr.deep

2
澁澤瀧彦をちょっとだけ学術寄りにした感じ。数々のゲームや創作で見たモンスターや中二ネームの元ネタの数々をしててほっこり2022/03/06

in medio tutissimus ibis.

2
イエイツは妖精が古代の巨人族が卑小化したものだと言ったが、これは柳田邦男が妖怪を零落した神と見たのと軌を一にする。影響を受けたのか、個別にさらなる源流から汲み出したのか。日中印イスラ厶欧州の魔についてのオカルト神秘思想が横断的に並べられていてその比較が楽しい。羽衣伝説の様な筋立てを人魚メロウや赤帽子コリホンドリューに道具立てを変えて存在していたり。イスラム圏のジンや悪魔イブリースについての観念はあまり紹介されないので新鮮だった。2020/09/02

shiro

2
アヌビスをハイエナと言っていたり、結構突っ込み所が多い。地域ではヒンドゥー文化圏、中国が多め。2016/04/10

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