出版社内容情報
フランスで聖書の次に読まれ、その名を広く知られる『レ・ミゼラブル』。その長大さだけでなく、頻出する作家の難解な「蘊蓄」により、読者の通読が阻まれる小説でもある。だが、作品の魅力はその「蘊蓄」にこそある。作家の伝記とともに成立過程をたどり、亡命先で完成された畢生の大作に織り込まれたユゴーの思想を繙く。
内容説明
世界的な名作『レ・ミゼラブル』を通読した読者は少ない。原因はその長大さばかりでなく、「哲学的部分」と呼ばれるユゴーの膨大な「蘊蓄」にある。しかし、「哲学的部分」こそ実は一番面白い。作品の成立の過程を辿り、歴史的背景を参照しつつ、作品に込められたユゴーの思想を読み解く。
目次
第1章 『レ・ミゼラブル』とはどんな小説か(読みづらい小説;小説の構成とあらすじ ほか)
第2章 ふたりのナポレオンと『レ・ミゼラブル』(ナポレオンとフランス小説;遍在するナポレオン ほか)
第3章 再執筆とナポレオンとの訣別(亡命作家ユゴーの反撃;冊子『小ナポレオン』の主張 ほか)
第4章 ジャン・ヴァルジャンとはどういう人物か(ジャン・ヴァルジャンの造形;貧困と刑務所が生んだ犯罪者 ほか)
第5章 「哲学的な部分」とユゴーの思想(貧困と社会主義;進歩という思想 ほか)
著者等紹介
西永良成[ニシナガヨシナリ]
1944年富山生まれ。東京外国語大学名誉教授。専門はフランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件