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出版社内容情報
日本のアニメを変えた「アルプスの少女ハイジ」。信じるに値する世界のために情熱を注いだ人々の姿に迫る。
内容説明
一九七四年のテレビ放映から四十年余。高畑勲、小田部羊一、宮崎駿など巨匠たちが若き日の情熱を注ぎ、各分野の才能が梁山泊のように集結した『アルプスの少女ハイジ』は、テレビアニメの枠に日常生活を描く文芸路線を切り拓いた。世界を魅了する日本のアニメーションのさきがけとなった本物志向の作品は、どのように作り出されたのか。生みの親・高橋茂人をはじめ関係者の証言から、「信じるに値する世界」を観せる仕事に懸けた人々のドラマに迫る。
目次
1 ハイジと出会った男―高橋茂人(幼年期から修業時代へ;コマーシャル制作が育てたテレビアニメーション;『ムーミン』という試金石)
2 『ハイジ』を作った人々(企画を通す;本物を作ろう;『ハイジ』を取り巻く音楽家たち;アニメ職人の技術;過酷な制作現場;『ハイジ』がもたらしたもの)
著者等紹介
ちばかおり[チバカオリ]
1962年、福岡県柳川市生まれ。海外児童文学およびテレビアニメーション、とくに「世界名作劇場」シリーズを研究。日本ハイジ児童文学研究会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイランド
88
どんな業界でも、草創期が一番熱い。マニュアルもノウハウも無い、手探りで自ら創り上げていく。さまざまな才能が集まり、夢と情熱を携えて奇跡のような結晶が誕生することがある。確かに「ハイジ」もそのような作品の一つであると思う。本書はハイジ誕生に関わった人々を描いているのだが、プロデューサーである高橋茂人の半生にページを多く割いているため、その後の実際の制作に携わった人達の苦労の部分との統一感に欠ける印象は否めない。余談だが、子供の頃ハイジに感動した身には、某社のCMのハイジやクララのパロディには、胸が痛くなる。2017/05/10
はる
59
アニメ「アルプスの少女ハイジ」がいかにして生まれ、作られたのか。プロデューサーである高橋氏を中心にして語られるノンフィクション。スタッフたちの作品に賭ける熱い想いや、視聴者である子供たちへの真摯な態度に感嘆。素晴らしい作品が出来るのも納得です。ハイジだけでなく「ムーミン」や「ロッキーチャック」などの裏話も描かれていて非常に興味深く楽しめました。ただ高橋氏の生い立ちの記述までは必要ないのでは。2017/04/08
ぐうぐう
30
アニメ『アルプスの少女ハイジ』がいかに生まれたかを追うノンフィクション。プロデューサー高橋茂人に焦点を当てたのは、とても斬新な試みだ。しかし、高橋の生い立ちから語り始め、『ハイジ』の企画を立てるまでに三分の一以上のページを要するのは、いささかやりすぎではないか。読者が知りたいのは、演出の高畑勲を柱とする、アニメ現場の様子だからだ。高橋にこだわる余り、肝心の制作現場の状態が伝わりづらく、しかも、既出のエピソードが多くなっているのは残念だ。(つづく)2017/04/15
遠山葉月
20
「ハイジ」のプロデューサー高橋茂人氏の人生を軸に昭和という時代とテレビ、アニメの歴史の一端を切り取った前半と、様々な立場で制作に関わったスタッフの証言を丁寧に拾い集めて記録した後半。どちらも読み応えがありました。アナログ時代のアニメ作りを知るスタッフの高齢化が進む中、アニメーションの作り手の生の声を記録した貴重な一次資料になると思います。著者の幅広く、丁寧な取材ぶりが感じられる良書です。2017/01/28
南北
14
1974年に放映されたテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」がどのような経緯で作られたのかをプロデューサーの高橋茂人の生い立ちから解き明かしている本です。その当時の主要なメンバーのうちの1人が欠けても作れなかった奇跡の作品であることがわかります。2017/05/12