内容説明
熱力学は、エンジンや冷蔵庫などの工業製品はもちろん地球温暖化などの環境問題を論じるうえでも不可欠であり、幅広い応用をもっています。この巻では温度や熱といった日常でもよく使われる言葉を、より正確な概念として理解することから熱力学を始め、ゴム弾性などを例に熱力学の基本法則についての理解を深めます。後半の統計力学では、無数の原子・分子の運動と熱力学の法則の関係を学びます。最後に、水に浮かんだ小さな花粉が不規則に動き回る「ブラウン運動」を中心に非平衡系の統計力学の考え方を紹介します。
目次
第1章 温度と熱
第2章 熱力学第1法則
第3章 熱力学第2法則
第4章 熱力学関数
第5章 古典統計力学
第6章 正準集団
第7章 量子統計力学
第8章 拡散現象
著者等紹介
和達三樹[ワダチミキ]
1945年生まれ。1970年ニューヨーク州立大学大学院修了(Ph.D.)。東京大学大学院理学系研究科教授。専門は理論物理学、とくに物性基礎論、統計力学
十河清[ソゴウキヨシ]
1949年生まれ。1981年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。北里大学理学部助教授。理学博士。専門は数理物理学、統計理学
出口哲生[デグチテツオ]
1964年生まれ。1990年東京大学大学院理学系研究科博士課程退学。お茶の水女子大学理学部教授。博士(理学)。専門は数理物理学、とくに物性基礎論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まやちゃん
2
熱力学関数のところが他の本と比べて分かりやすい。2021/03/28
舌噛
0
ゼロからのとあるが力学と電磁気学、それに量子力学をある程度知っていないと途中で詰まってしまうように思った。しかし解説はとても丁寧で自分のように初めての人間でも説明を追っていけばなんとか読めた。演習問題は途中から自力で解けなくなったので解説を読んで鑑賞。2016/07/16
しろくまZ
0
熱力学の説明は分かりやすくて役に立った。統計力学の部分はなぜか読みにくい。他の詳しい専門書を読んだ方が良いと思う。2010/04/23