内容説明
２００３年のＡから２００８年のＫまで、今読み返すともっと怖い７０話を選んだ。行きずりの男の部屋で起こった怪異「ワンルーム」、マンションのエレベーターでの恐怖体験「駆け込み」、マッサージ店に来るタレントには秘密が…「マッサージ」、神社で拾った物に纏わる不思議な話「神社の傘」、隣りが空き部屋だったので引っ越した女性を襲う恐怖「通告義務なし」などありとあらゆる恐怖が万華鏡のように次々に供される。
目次
地獄になります
ドンとしたもの
山便
塩漬霊
似顔絵
Ｚ
月夜
ワンルーム
眉剃り妊婦
どんどん変に…〔ほか〕
著者等紹介
平山夢明［ヒラヤマユメアキ］
神奈川県生まれ。フィクション・ノンフィクション、死者・生者を問わず常に人間存在の「狂気」を根こそぎ描き尽くそうとする筆致には定評がある。『独白するユニバーサル横メルカトル』で第５９回日本推理作家協会賞短編部門を受賞、同タイトルの短編小説集（光文社）が２００７年度「このミステリーがすごい！」一位。また「ＤＩＮＥＲ（ダイナー）」（ポプラ社）が第２８回冒険小説大賞＆第１３回大藪春彦賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
35
実話怪談集。あまりに強烈なのは前二作で使い果たしたのか、今回は全体的に大人しい印象。ただそれだけに一つ一つの上手さが、際立っているように思える。あと牧歌的な民話じみた怪談は黒木あるじの専門かと思っていたが、こう見てみると結構書いているのですね。実話怪談のお手本みたいな作品が勢揃いしているので、実話怪談とは何ぞや。という人はこのベストセレクションから読み始めるといいのではないか。東京伝説もベスト出てるけど、あれ痛すぎるんだよなあ。後、新作の「地獄になります」「塩漬霊」は嫌すぎるでしょ。2013/01/03
田中
33
怪異や心霊現象が７５話収められた実話体験集。マンションの事故物件に知らずに住んでしまい、夜な夜な死霊が現れるのはよくある話しですが、当事者にとっては、たまったもんではないだろうなぁと同情します。急死した友人宅を訪問した際に体験した「棺潜り(ひつぎもぐり)」は、なぜか時空が歪んで異次元に移動してしまったようで興味深い現象です。優秀な警官の裏話である「ベテラン」も面白い。見えるから不審者を発見しやすいというのは単純明快。薄気味悪い話が多いので、夜は読まないほうが良いです【日本の夏は、やっぱり怪談】 2022/07/10
hannahhannah
17
ギリシャ文字シリーズの平山夢明執筆分のベスト版第三弾。新作書下ろしの「地獄になります」と「ドンとしたもの」と「山便」と「塩漬霊」と「似顔絵」と選出された７０話を収録。「地獄になります」と「塩漬霊」が平山さんの小説を思わせる、救いがない内容。グロい幽霊たちが現れるいつもの話もあるけど、「忠告」は樹海で自殺しようとした若者が幽霊から忠告されて生まれ変わるような話もある。ギリシャ文字シリーズは平山さんが卒業した後もΩ（オメガ）まで続くし、超怖シリーズは現在も続いているが、私はこの巻をもって一区切りするとします。2017/05/29
ラルル
17
平山夢明という人を例えるなら「嬉しそうに尻尾を振りながら満面の笑みで喉笛に噛み付いてくる柴犬」だと思う。あの人懐こい雰囲気からは想像もつかないクレイジーさ。実話怪談を読んでみたいと思う人はこのベストセレクションシリーズが良いと思う。何故ならそのまんま、今までのベストを詰めたものだから失敗が無い。私的には読んだことある話の詰め合わせだけど、久しぶりに読んでも新鮮で面白かった。2013/06/07
☆kubo
11
やっぱり平山さんは別格だなあ。実話怪談系でいい本を探している人にはオススメです。ボリュームもあってお得（笑）どれも他の聞いたこと事あるような話とはちょっと違って、味があるというか、一捻りあるというか。堪能いたしました。2013/02/16
