内容説明
結婚詐欺師の槙圭人のカモは、ある条件を備えたノンケの男だ。普通の男たちが自分によって骨抜きになっていく様は愉快で仕方がない。だが、ある日、槙は弁護士の恩田奏源に捕まってしまう。槙の被害者が示談を依頼したのだ。恩田は他の男とは違って、槙の手管が通用せず、槙の金目の持ち物をすべて押収して去って行った。「色恋の案件など反吐が出る」。そう言い残して…。槙は、腹癒せに恩田を次のカモと決め、さりげなく接近を始めるが―!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
辺辺
76
ファザコンな息子代弁役・槇と、サン・コン(変な造語だともw)な父親代弁役・恩田との父子関係修復がメイン・テーマかと思ったら、そこに、「家庭間コンプレックス=恋愛感情」+「男同士」をも取り入れた作品である。(人として正しいか否かは敢て置き去りに、自爆♪)とりあえず、不遜なほど強面鉄腕弁護士も、小憎らしい位百戦錬磨な詐欺師も、恋の罠にハマると皆平等で唯のアホとなる?”実験体験+現場検証”的作品♪沙野エロ病悪化したかようなラスボス⇒貞操帯登場に(救いようがないし、最期まで付き合わなきゃ損!?♥)とボソっと(笑)2014/07/27
とも*
55
時計の真相には胸が痛かったし恩田の時計の行方もその協力者との関係も良かった。 ただ、始まりの恩田の横暴な自分勝手さは後で反省してたけど犯罪だろうと思わずツッコんでしまった。 でもガラス越しのあの感触が忘れられなくて手癖になってる所には思わずにんまり。 相手にハマって追いかける恩田と逃げる槙のお互いの行動も端々に気になってる気持ちがだんだん滲み出てて来てるのも好きだなー SSカードはワクワクしたけど続編とかあるのかな? 2014/08/16
たかはし
54
ラヴァーズとはあまり相性が良くないのだけど、小山田さんの挿絵買いで。中盤まではかなり面白くて今年のベストに入れてもいい!というくらいだったが、後半は萌えが続かず失速してしまった。エロテーマである貞操帯も私の萌えではないんだよね~。とはいっても、槇のトラウマや男相手に詐欺を仕掛ける理由には頷けるし、時計のエピソードも小洒落ていてさすが沙野さんと言ったところ。ストーリーは綺麗に纏まっているし、小山田さん目当てな自分にとっては大変眼福な一冊で素晴らしいの一言。恩田をカモに一矢報いるはずが墓穴なのが激萌えであった2014/06/17
サキヤマ アン
48
予想していた内容と少し違っていたけれど、安定感ある紗野先生の作品。最後まで楽しませてもらった。まさかお堅いヤメ検の恩田が、アレを使うとは、意外だったけれどちょうど良いスパイスに。着けているイラストを見たかったけれど、場所が場所だけに。番外編か何かで、二人のイチャイチャ(出来れば恩田視点で)読めたら嬉しいかも。2014/06/17
那義乱丸
46
H場面をすっ飛ばして読んでたら本筋も斜め読みしちゃってたようで物語に入り込めず。中盤辺りで「これでは楽しめない」と思い、もう一度最初から読み直してみたらば、単なるエロ特化なお話ではなく物語としての面白さも温かさもある作品だった!結婚詐欺師とその標的、双方承知の上での駆け引きのハズが互いの意識とは裏腹な方向へと転げていく人の心の意外性。槇が男相手の結婚詐欺をする意味と恩田の隠された真情が上手く繋げられ、カプとしての恋と同時にそれぞれが抱えていたものが綺麗に着地して満足の読後感!きちんと読み直して正解だった。2014/06/07