竹書房文庫
怪談実話 叫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 223p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784812448755
  • NDC分類 147
  • Cコード C0176

内容説明

FKB平山夢明監修、黒木あるじの怪談実話シリーズ第3弾。代行運転のバイトが遭遇した、ポンコツ車の呪い「濡衣」、残業をしていた高層ビルのオフィスでワープロの画面に浮かび上がる謎の文字「残業」、東北のテレビ局が無理やり取材した仏像が引き起こした異変…「開帳」など36篇を収録。

目次

山骸
歩影
濡衣
開帳
誘惑
T島
残業
毛布
黒狐
連葬

著者等紹介

黒木あるじ[クロキアルジ]
1976年青森県生まれ。2009年「おまもり」で第7回ビーケーワン怪談大賞・佳作を受賞。同年「ささやき」で第1回『幽』怪談実話コンテスト「ブンまわし賞」受賞

平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
神奈川県生まれ。実話読み物として『「超」怖い話』『東京伝説』(弊社・竹書房文庫)『怖い本』(ハルキホラー文庫)シリーズを発表。フィクション・ノンフィクション、死者・生者を問わず常に人間存在の「狂気」を根こそぎ描き尽くそうとする筆致には定評がある。『独白するユニバーサル横メルカトル』で第59回日本推理作家協会賞短編部門を受賞、同タイトルの短編小説集(光文社)が2007年度「このミステリーがすごい!」一位。また「DINER(ダイナー)」(ポプラ社)が第28回冒険小説大賞&第13回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

148
今回は著者には珍しい一読後しみじみと心を打たれた貴重な一編を紹介しますね。『満月』村の子供が狐に化かされ騙される被害が多発していた頃に満月の夜だけは無事だった。婆ちゃが風邪をこじらせ危なくなって隣村に嫁いだ娘に知らせに行く大役を十歳になったばかりのE氏が任された。山道の途中で突然夜空が無数の満月に覆われた時E氏は何度も土下座し狐に事情を話して通してくれと頼み込む。やがて願いが通じ元に戻ったお陰で婆ちゃの死に目に間に合う。明け方、E氏は大きな狐と二匹の仔狐を見て「お前もおっ母だから許してくれたのか」と呟く。2020/07/12

瑪瑙(サードニックス)

40
今回もぞっとする話が多かったです。そんな中、『満月』だけはほっこりしました。村人をだましてばかりいた狐にも情と言うものがあったのですね。なんにせよ、見えない物への畏怖の心は忘れないようにしようと思った。2021/07/29

ネムコ

37
さすがの黒木節。面白かった! 改めて、実話怪談は“人“だと思う。書く“人“の文章力。そして登場する話者の“ひととなり“も見えなくては、読者は物語に感情移入できない。黒木さんは少ない言葉とエピソードで、体験者の人物像を掴ませる。それによって読者を物語に引きずり込むのだ。良いものを読ませて頂きました。2018/05/18

J7(読メ低浮上中)

28
同じく怪談好きの友人から「黒木あるじなら、漢字一文字タイトルのシリーズが面白いよ」と勧められた本書。オススメされただけあって、どれもこれも鋭いエッジが立ったような、おぞましさと後味の悪い話が楽しめる。このFKBシリーズは、あの平山夢明の監修であり、この本の著者も平山氏の薫陶を受けたらしいという話を聞いて納得。本書の怪談が持つ、エグいが面白いという魅力は、ある意味平山作品に通じるものがある。そして、そんな選りすぐりの怪異譚を多数発表している黒木あるじ氏は、間違いなく現代の優れた実話系怪談の作家なのだ。2016/10/25

HANA

27
大当たり。実話怪談というとどうしても玉石混交になって、大概は石が多いのだけれども、この巻に関してはほとんどが玉であった。特に土俗と現在が地続きになったような作品、禁じられた秘仏を撮影したカメラマンに起きた怪異を描く「開帳」や遠野物語を思い起こさせる「天狗」皮肉なラストが光る「身代」、そして何が起こったのかわからないが何かが起きたという怪談の手本のような「田神」「因家」、お気に入りを数え上げていけば限がない。是非とも著者にはこういう東北在住の強みを生かした作品をこれからも書き続けていってもらいたいものです。2012/03/31

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