内容説明
長引く不況で暴力団世界は何より基盤となる末端組員が窮乏化し、暴力団からもドロップアウトする状態が続いている。おまけに暴力団排除条例は全都道府県で制定され、組員たちの生活権さえ脅かされている。暴力団は変質せざるを得ず、山口組もその例外ではない。司組長は今後どう山口組の舵を切るのか。
目次
第1章 「名古屋王国の隆盛」(司六代目「大阪時代」の若き素顔;愛知県警の腐敗と弘道会の繁栄 ほか)
第2章 「強権支配と粛清」(後藤忠政・後藤組組長「除籍問題」の核心;大量処分で漬された「極秘クーデター」計画 ほか)
第3章 「暴力団排除の包囲網」(「暴排デモ隊」が山口組総本部を狙い撃ち;「のりピー事件」の裏にヤクザの覚醒剤支配 ほか)
第4章 「ナンバーツー逮捕の激震」(「直系組長七人一挙逮捕」の最終ターゲット;高山清司若頭逮捕で「山口組に王手」 ほか)
第5章 「島田紳助引退と反社勢力」(「ヤクザか芸能界か」紳助の究極の選択;紳助事件がもたらす暴排条例の効果)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cronoq
1
淡々と読了。取締対象の違法組織を認定する暴対法の矛盾だとか、自組織の存在意義を維持するために暴力団を活かさず殺さず「共存」し続ける警察組織の話とか。頭では理解できたつもりでも、実感が湧かない。紳助引退の真相も、そんなもんなのかなあ、といった感じ。2013/08/10
sasha
1
名刺に代紋の印刷禁止。警察が山口組壊滅を狙えば狙うほど、組織は地下に潜るようになる。著者も指摘しているがその方が怖いな。ヤクザはヤクザと分かってこそ、一般市民も気を付けるのだろうし。広域暴力団を潰しちゃったら海外マフィアがもっと跋扈するんじゃないのか。必要悪だと思うのは甘いのかなぁ。2012/02/08
ワンモアニードユー
0
興味深く読めましたが、最後の部分が書き急ぎっぽく中味が薄く感じられました。 そこが残念。2013/04/09
石香川
0
活字読書38冊目。警察の取締や内紛などが山口組(弘道会)にどのような影響を与えたかを解説。巧妙化する山口組のシノギや暴排条例の影響は興味深かったが、いま読むとネタは少し古いし、関係団体の誰それとの盃事の記事がやたら多かった。面倒なところは読み飛ばして問題ない。2012/09/27