竹書房文庫
恐怖箱 蟻地獄

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784812438640
  • NDC分類 147
  • Cコード C0176

内容説明

日常の隙間でひそかに起きている怪事、変事。それは、この世ならざる者の見えない手がそっと我々の世界にひとさし指を差し込み、くるりと掻き混ぜている様を思わせる。コーヒーに浴かした砂糖をスプーンで掻き混ぜるがごとく、やつらは不気味なまでの自然さで、暴力的に我々の平和を乱してくる。明確な悪意を持つ指もあれば、悪戯好きの指もある。だが、どんな意図にせよ、その指が作る渦に運悪く巻き込まれてしまった者は、蟻地獄の巣穴に落ちた虫のようにあの世に引きずり込まれ、泥沼の恐怖を味わうことになる。日常に突如ひらく小さな穴、その穴に落ちた47人の戦慄の体験談をこっそりと淵から覗いていただきたい。くれぐれも落ちないようご用心、ご用心…。

著者等紹介

原田空[ハラダソラ]
埼玉県出身。実話怪談コンテスト超‐1/2007大会、6位。2008年、『恐怖箱 蛇苺』で共著デビュー

矢内倫吾[ヤナイリンゴ]
埼玉県出身。超‐1/2007大会、4位。第4回ムー・ミステリーコンテスト小説部門に「黒い臨月」で入選。2008年、『恐怖箱 老鴉瓜』で共著デビュー

高田公太[タカダコウタ]
1978年、青森県出身在住。独身。超‐1/2007大会、2008大会にて戦績を残し、今に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

145
若手怪談実話作家3人のフレッシュな競演でそれぞれに違う持ち味がお有りで大いに楽しめましたね。『ウララ~ウララ~』原田空:彼女は電車のホームで待っていると「狙い撃ち」のメロディーが流れて来て、次の瞬間には客が線路に飛び込むという経験を3度もした物だから、カラオケで曲が流れるとゾッとするという。『風の宮』矢内倫吾:伊勢の内宮様に3歳児の祐君を連れてお参りに行くと腕白盛りでワーワーと叫んではしゃぎ回る。その夜祐君が起き出し神棚の前で土下座して「神さまごめんなしゃい」と繰り返しゴンゴンと床に頭を何度も打ち付ける。2020/09/27

Spok

6
迷惑な話が多くて面白かった。ジッポ、紅眼、食い逃げ、尻軽、蟹音等は特にお断りだ。2016/10/31

まるめろ

4
いい感じに嫌な雰囲気が漂っている。不可解で不条理で、因果もなく巻き込まれる…そうでありながら恐怖そのものはわかりやすく存在する。特別怖い話はなかったが、満足した。解説や説明がほとんどなく、淡々と並べられているのも良い。2020/05/10

王天上

4
読み過ぎで感覚がマヒしてきたのか、印象に残った作品は特になかった。明日はドラフト。工藤監督のくじ運やいかに?2015/10/21

4
個人的に、上手い怪談の書き方とは「多くを語らない事」だと思っている。何故なら読み手は「怪異を知りたい」のであって、「作家の考えが聞きたい」訳でも「名文を読みたい」訳でもないのである。そういう点で、本書は合格である。語り部のバックグラウンドを語らず、著者は考察を述べず、不思議が不思議のまま転がっている。しかし、聞き手からの引用への筆者の突っ込みの絶妙さが良かった。2009/07/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/202543
  • ご注意事項